BALLAD 名もなき恋のうた (小学館文庫)
本書は、『映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』(2002年・原恵一監督)を原案にリメイクされ、9月5日に公開された映画『BALLAD 名もなき恋のうた』(監督:山崎貴、主演:草なぎ剛、新垣結衣)のノベライズである。
登校中に偶然、1574年の戦国の世にタイムスリップした小学生・川上真一。春日の国の侍・井尻又兵衛の命を偶然にも救った真一は、又兵衛と春日城の姫君・廉姫が身分違いの恋心を抱いていることを知る。その地を治める大名・大倉井高虎からの廉姫への求婚を断った事から春日と大倉井との間に戦が起こる一方、我が子の救出のために未来から現れた真一の両親も現れる。
『戦国大合戦』を拝見している者にとって本書は別物という印象であり、現代人が戦国の世にタイムスリップする展開に何故か『時空の旅人』を思い出し、些か懐かしさを覚えた。
本書の最大の見所は何といっても又兵衛と廉姫の二人の関係であるが、幼少の頃から素直に言い合っていた二人が成長するにつれ、身分や建前にお互い思いを寄せながらも自分の気持ちを押し殺して、お互い叶わぬ恋である事を受け入れようとしている所へ偶然、現れた真一やその両親(暁と美佐子)によって自分の本当の気持ちを気付かされる展開は面白い。
特に廉姫が真一の母・美佐子に夫・暁〈あきら〉との馴れ初めを訊き、未来ではお互いが愛し合っていれば、どんな家柄の者でも一緒になれる事に感心する場面やまた、戦へ出掛ける又兵衛とそれを静かに見送る廉姫に真一と美佐子がお互いそれぞれの本心を問い質し、後押しした事で又兵衛と廉姫がお互いの気持ちを素直に言い合い、約束をして抱擁する場面は印象的でした。
そして、又兵衛が真一に遺した最後の言葉も…。
You were... / BALLAD
正直浜崎あゆみの限界を感じてしまった。
2009年に出したシングルもアルバムも駄作ばかり。
『NEXT LEVEL』は駄作ではあるもののまだ実験性や革新性があったけど
その後のシングルはホントにひどい。
あまりに酷くはないかい? これは…。
楽曲も10年前ならアルバムにも収録できないようなレベルだし
あの頃の彼女とはまったく違う歌詞。
進化してるならまだしも確実に退化してる。
上っ面だけで深みがまったくない。中学生のポエム以下。
でもそれらはまだ小さな問題でしかない。
最大の欠点は歌とも呼べないようなビブラートと歌唱力の低下。
彼女のファンは本当に今の歌唱法に満足しているのだろうか…。
10年前の彼女は輝いていた。J-POPの女王として文句なしだった。
全盛期を知っているだけに寂しくなる。
僕の村は戦場だった(字幕版) [VHS]
難解な作品を撮るという印象が強い
タルコフスキー監督の作品の中では
分かりやすく観やすい作品。
戦争という大きな渦に巻き込まれ
妙に大人びてしまった少年と
彼を取り巻く軍人たちの悲しみ。
平和な時代に子供として過ごせたことに
改めて感謝をしたい気持ちになる。
「古い映画は名作と言われててもちょっと退屈」と
思っている方でも退屈せずに観れる佳作。
後に巨匠になるタルコフスキーの力量の片鱗を
映像から感じずにはいられないだろう。
妖精国の騎士Ballad (プリンセスコミックス)
第1話がプリンセスに連載された当初から読み続け、ついに最終巻まで付き合いました。
この後日談が出るまでは、なんともオチがつかない気分でしたが、これを読んだことでようやく長い物語に一つの終わりが来たんだなと思えました。
ローラントとお嫁さんのこと、アーサーとローリィの後日譚、ロビンとその生い立ちのこと……などなど、長い時間をかけてきただけに、感慨もひとしおです。
喜びや後悔が入り混じるのも、それぞれのキャラクターたちが気に入ってたからこそです。
シルフィンもエーリリテもシェンもみんないいコだ〜。
でもシェンのツンなところは相変わらずなんだな。
BALLAD 名もなき恋のうた [DVD]
非常に誠実に作られた映画。俯瞰を多用した合戦シーンなど実に見事なものだ。
だが、最後、又兵衛の死で泣けなかった。
何が足りないのか考えたくなり、オリジナルのアニメを観てみた。今度は泣けた。
差は、主役2人の造型にある。
役者の力不足ではない。2人ともよくやっていると思う。
(個性という点でも、草ナギ氏は、多少線は細いが、野卑でなく無骨な俳優が払底気味の中、不器用そうな感じがはまっていないこともないし、新垣嬢は娘らしく、姫らしい。)
原因は、意外なことに、『三丁目の夕日』を手がけた泣かせの達人の脚本・演出にある。
又兵衛の抑制が足りない。小出しに「自由」などと自己主張させていては、最期の抑えた思いの内圧が高まらず、ただ爽やかに流れてしまう。
廉姫の激しさが足りない。たとえば、櫓に向かう場面、塀を越え、斜面を駆け下りるアニメの描写をそのまま再現せずとも、ほとばしる思いの表現のしようはあるはず。そこを通り一遍にしておいて遺体に取りすがらせても、痛みは伝わらない。(アニメの廉姫は離れた櫓で声も無く泣き崩れるだけだ。)
リメイクする作り手は当然オリジナルを観ている。その下地があるので、つい伏線がほんの少し疎かになる。
自分が分かっていることを、落ちなく人に伝えるのは難しい。