First of a Million Kisses
ジャケットの写真は、エリオット・アーウィットが1955年に撮影したもの。
その魅力がタイムレスなように、フェアグランド・アトラクションのこのアルバムも、
時の流れや、流行の音楽にまったく関係なく、つねにその魅力を失わない。
週末や、自分の自由な時間が手に入った時の、ゆったりとした気分に最適。
サウンド的には、スティックでスネアを2拍4拍で打ち込むようなドラムスやE・ベースがなくて、
しかもそれがアコースティックとか、アン・プラグドとかそういうものとも違って、
ストリートでスカートの裾を翻して歌い演奏する彼らの姿がそのままアルバムにパッケージされたような音楽。
元気で明るいナンバーも素敵だが、静かな、歌いあげる曲やしっとりとした曲が入っていることが
このアルバムをいとおしい存在にしてくれる。
エディー・リーダーがど頭から♪Wish me well say goodbye♪と歌い出す「The wind knows my name」、
アコギの爪弾きをバックに♪I want to hear comedy waltz tonight♪と子守歌のような声で歌う「comedy waltz」、
このアルバムでしか聴けない素敵な瞬間が、音と詞の宝石のようにちりばめられている。
できたら最良の音質でデジタル・リマスターしてほしい。
FGAはオリジナル1枚で解散したが、曲作りを担当したMark E. Nvinが
FGAの世界そのままに再びソングライティングしたアルバムがある。
それが『sweetmouth』で、ヴォーカルはBrian Knnedy。
『First a Million Kisses』を気に入った人なら楽しめると思います。