ピュア・ヴォイス
ボーイ・ソプラノが聴きたくて購入したので偏ったコメントです。
3曲目:好きな曲の一つでしたが少々ゆっくりめに歌われていたので重いなと思ってしまいました。(高音部分を女性の方が歌われているみたいですが…)
7曲目:これはとてもすばらしいです。合唱の各パートのバランスもよくまとまっていてボーイ・ソプラノも透き通っていて思わず昇天しそうな感じです。
10曲目:ボーイ・ソプラノではありませんが、サラ・ブライトマンに似た歌声がとてもかろやかできれいでした。
その他もアメージンググレイス、アイリッシュな曲などあって良いです。
個人的にオペラの曲が苦手なので星4つです。
アウシュヴィッツ収容所―所長ルドルフ・ヘスの告白遺録 (1972年)
山の様に捏造箇所がありますが(きちんと「注」で指摘されています)、時代が平時だったならば
ルドルフ・ヘスは普通の人間だったかもしれません。
そこがまた恐い所です。
文体や内容も「夜と霧」を読んでいるかのようで、被害者と加害者の書く内容が奇妙にも一致するとは...
双方とも客観的なのが、またまた恐い所です。
他の資料では見られない珍しい記述として、聖書研究会/ゲイ/ジプシーなどの人々へ加えられた具体的な
虐待内容が挙げられます。
サラリーマンも人事権を持つ様になれば(もしくは人事案を作れる様な立場になると)、考えようによっては
同じ環境に曝されていきます。
そんな時に自分を見失わない為にも、過去の狂気を押さえておきたいものです。
アウシュヴィッツ収容所 (講談社学術文庫)
この本はアウシュヴィッツ収容所長ルドルフ・ヘスの手記である。あのユダヤ人大量虐殺の現場となったアウシュヴィッツを取り仕切る所長は、実は聖職者を目指していたり、農場を作る事を夢を見ていたなんて信じられますか?そんな大量虐殺とは無縁な生活を営もうとしていた彼がなぜあのような凶行を行うことになったのか・・・もしかしたら誰もが彼になりうるかもしれないそんなに思わされます。
アウシュヴィッツ収容所―所長ルドルフ・ヘスの告白遺録
あまりにも有名な「告白本」です。
閑話
「アウシュウィッツの「ガス室」の真実」…アウシュ「ビ」ッツではないので念のため。
上記の嘘と欺瞞だらけの本に感銘を受けた「お人好し」にお薦め。
某氏のの「…真実」のでたらめぶりを一蹴する、告白本です。
「…真実」では、そもそもドイツ語の単語発音さえできない某氏が、
「ヘス(ホゥェス)の告白は「拷問」によるもの」としていますが、
明らかに違います。
閑話休題
まず、本書について
多くの「ナチス党員の告白」がありますが、この本は第一級の資料。
イギリス軍の捕虜になった後に「拷問」らしき取り調べを受けた
ことは真実ですが、本書の中でいみじくもヘスが述べているように
ポーランド移送後にはかなり丁寧に扱われ、
拷問はなく、ヘス自身が「この告白は、自らの意思で書いた」もの。
いくつかの事実の誤り…実在する収容所の名称の間違いや
アウシュビッツでのユダヤ人虐殺数の過大さ…を除けば
当時のナチス党員の精神状況をよく表してします。
ヘスの言い分(言い訳)は次の通り。
1・ 私は「自ら進んでユダヤ人虐殺に手を貸したわけではない」
2・ 当時のナチス党員にとって「命令は絶対であった」
3・ 好んで虐待した事実はなく、むしろ「人道的に」扱おうとした
4・ 自分の利益のために虐殺を行った事は一度もない
3・4を除いて、ほぼ事実に即しています。
この本から見えてくるのは、「ノーマルな感性」を持った人間が
「仕事」・「命令」となると、とたんに「虐殺」に手を貸すことに
一切の疑問を持たなくなるという事実。
アイヒマン裁判の記録=イェルサレムのアイヒマンで、アーレントが
副題に「悪の陳腐さについて」と書いているように、ナチス党員の
自己弁護に典型的に表出する表現です。
しかしヘスは根本的な間違いに全く気がつきません。
「自分自身の判断でナチス党員になったこと」
「特の政府に忠誠を誓ったのは自分自身の判断によること」
この二つが見事に抜け落ちた「告白」です。
ヘスは(無意識にか?)上記の2点については触れていません。
要約すれば「自分は命令に従っただけ」・「悪意は持っていなかった」
自分の名前で行われた虐殺についても同じ態度です。
「自分の名前で行われたことには、自分が責任を負う」ことすら
分かっていません。
ヘスはかなり論理的思考ができない類の人間ですが、
ここまで開き直られると、「子どものごっこ遊びじゃないよ!
大人は自分の名でなされた事には責任を持つんだよ!」と
思ってしましまいます。
淡々と「虐殺という仕事をこなす」役人=ヘス。
恐ろしさに身がすくみます。
我々の判断を省みる、一種の反面教師。
このような愚劣な人間に虐殺された100万人のユダヤの民に
合掌。
類似の本をあげておきます
イェルサレムのアイヒマン
彼らは自由だと思っていいた
5000万人のヒトラーがいた