砂漠の囚われ人マリカ
某番組でこの話を知り、衝撃を受けさっそく本を読みました。
もっと獄中の生活の様子が知りたくて読み始めたのですが、家族構成や経歴、幼少時代の話が割と長く、肝心の獄中生活については描写が少々物足りなく、真に迫ったものがあまり感じられませんでした。テレビでやっていた再現VTRの方が衝撃的過ぎたのかもしれません。というのは、テレビでは弟が独房で毎晩暴行を受けていたとあったが、本にはそこまで書かれていなかったり、また、始めに監禁された場所では暇さえあれば食べていたとか、水の使用量に制限はなかったとか書いてあるのに、テレビではもっとひどいことになっていたり。映像で見る前にこの本を読んでいたら、もっと印象がちがったでしょう。それと、獄中生活の中でマリカが考えた「お話」のくだりがちょっとくどい気が…。本人達は20年の間それに助けられて生きていたのでしょうが、読者としては正直どうでもよい内容だったので…それでも脱走するための穴を掘ったり、見つからずになんとか逃げ切ったり、保護されるまでの奇跡的な逃亡劇は本当に起こった話とは思えない、驚くべき話でした。なにより20年もの間全員が生き延びていたことが奇跡!