終身刑を生きる―自己との対話
この本の長所
1、一部とはいえ、思慮を深めた終身刑囚が終身刑をどう考えているか、絶望的な状況の中でどう今後の人生を積極的に生きているか、終身刑が残酷であるというホンネ、などが明らかになっており、終身刑や人生を考えるヒントが満載なところ。
2、アメリカの刑務所の様子が垣間見えるところ(教育プログラムの充実、刑務所の外で仕事をする終身刑囚、など)
この本の短所
二、三を除いて、終身刑囚がどんな犯罪を起こしたかが明らかでないところ。
読者にも感情があるので、犯罪事実をもう少し詳しく知った上で(第一級(謀殺)、第二級(故殺)だけでは抽象的過ぎる)その感情に向き合って終身刑を考えたほうが有益だと思うから。名前は仮名でもいいから、概要ぐらいは書いて欲しかった。
結論
短所は結構重要だと思うので、星を1つ減らして、星4つ。しかし、いろいろなことを考察できる有益な本なので、ぜひご一読を。
終身刑の死角 (新書y)
とても興味深く最後まで読ませて頂きました。
私自身、死刑制度の存廃や終身刑について、感情論での2択問題の様に捉えていたことを思い知りました。
この本では、実際に制度を運用していくとはどういうことかに焦点が当てられ、淡々と事実を示している点、好感が持てました。
死刑制度や終身刑について、ブレークダウンして欲しいと思っている方は読んでみてください。