うさぎドロップ 【初回限定生産版】 Blu-ray 第1巻
原作は宇仁田ゆみさんの子育て漫画。宇仁田さんもお子さんがいるからか、親の視点で丁寧に描かれた良作です。
アニメもそれに準拠しておりますが、よりダイキチとりんちゃんの二人の関係に絞っているというか、二人の心情をモノローグや台詞などに拠らず、キャラの行動や視点などで丁寧に演出されております。
だって1話がお葬式の話で、2話が一時預かり保育所に通う話ですよ? 筋を文章にしたら一体何行だ?といったところですが、
それを30分まるまる使ってやり、視聴者の私もどっぷりと浸って見てしまう。
2話はとくにオリジナルの演出が多く、「ダイキチ!お月様から逃げて!」のくだりではボロボロ泣いてしまいました。
おねしょのシーンでのダイキチとりんちゃんのかけあいでなぜか大笑いしてしまうし……まったくもって深夜アニメである必要ないですね(^^;
子供が出てくる作品は無条件で贔屓目になってしまうものですが、本作はそれだけじゃあない。映像作品ならではの語らずに見せる作品です。次週も楽しみだ!
うさぎドロップ 【初回限定生産版】 Blu-ray 第3巻
第3巻が本日届いたので評価する。
本編では7話の出来が良い。
以前に伏線が張られていた春子(リンと同じ年?の子を持つ大吉のいとこ)のエピソードだが、
そのセリフの選択の仕方や仕種等、7話の演出には光るものがある。
自分の子ではないリンを育てる大吉と片親となってがんばるコウキママ、それと春子の気持ちが対比となって
うさドロのテーマにおいて重要なエピソードになっている。
よくこの時間にこの内容を凝縮したなと思う。
元々マンガであるからストーリーを追うだけでは簡単に終わっていただろう。
その「間」に詰められたものが素晴らしい。
もちろん他のエピソードも良かった。
生みの親である正子がそっとリンを見る8話は7話の後だけに感じ入るものがある。
放送自体が1クールで終了しているだけに、そこに無駄は入り込めなかったのでしょう。
1話からここまで無駄が無い展開になっていて飽きません。
2011年出色のアニメであることは間違いなく、未見、未読の方にも勧められます。
追記
特典の6.5話、この第3巻にもオリジナルストーリーが付いてきた。
短い話ながら、オリジナルを観せてもらえるのはやはり嬉しい。
ささいな話なのだが、人間関係等本編を補完するだけに巻毎に積み重なっていくのは良いものだ。
BDやDVDの販売が終了しても、どこかでこのようなストーリーを観続けたいものだ。
うさぎドロップ 10 番外編 (Feelコミックス)
うさぎドロップの番外編の10巻です。
コウキのおでこの傷や、正子の話など面白かった。
特にどこの高校に行くのか聞きに来る話しが好きです。
最後の終わり方もすっきりしていて良かったです。
うさぎドロップ 【初回限定生産版】 Blu-ray 第4巻
本日、商品が届き視聴を致しましたので感想を報告させていただきます。
8.5話「かえり道」の内容は、前話の8話終盤である「夏祭り(夜店)」の帰り道から物語が始まります。
大吉、りん、こうき、こうきママの姿はまるで4人家族そのものでした。また、こうきママは浴衣姿で大変艶やかでした。りんがこうきママから母性愛、こうきが大吉から父性愛に接するシーンが印象的です。
ナンバリングに相応しく、本編に劣らない出来であったと思います。
最終11話で大吉がりんを養育するために捧げる時間を「犠牲」と捉えることについてに改めて大吉は一つの結論を出します。様々な親の姿について客観的に考え、また自らも育児を通して経験したことも踏まえ、まるで社会学者であるような考察に至ります。本作品は青年期〜若い壮年期世代が養育について考えさせられるものに適した教材だと思いました。
DVDパッケージ内に挟まっている特製ブックレットは表紙デザインがミニノート風になっており、なまえの欄に「かがりん(小学生らしい崩れた字)」と書かれています。裏表紙にウサギの絵の落書きがあり楽しませてもらいました。冊子の半分はキャラデザイン・風景などの美術絵が載り、残り半分は原作者や監督などのインタビューでした。原作本9.5巻同様に活字が多い内容です。全カラー40p仕様。
話は逸れますが3月8日に原作本うさドロ10巻(番外編)が発売予定なので楽しみです。
うさぎドロップ 9.5 映画・アニメ・原作 公式ガイドブック(Feelコミックス)
最終回が、何故ああなったのか。
という疑問が、非常によくわかる本です。
この本、少し普通の「解説本」と違っていて、面白いです。
普通、作者のロングインタビューがドーンと一つあって、ストーリー解説、キャラクター解説、アニメ情報、映画情報、その他。
っていう構成が定番だと思うのですが、この本の構成は少し風変わり。
映画、アニメ、漫画、三つの業界の中で、原作者とその関係者達(友人達)との対談がそれぞれ掲載されています。
映画監督と主演俳優と原作者との対談は、よくありますが、アニメのキャラクターデザイン(総作画監督)と原作者との対談は滅多に見たことがない。しかも、作者の人柄からか、結構、ぶっちゃけた話が聞けて面白い!(特に、アニメ監督とシリーズ構成の方との対談はよかった。現場の空気が垣間見れます。)
映画とアニメの現場体験記マンガもついていて、非常に盛りだくさんな内容。
ちなみに、私は最終回否定派(お子ちゃまですみません)でしたが、『関根くんの恋』の作者河内遥さんと原作者の対談を読んで、「なるほどなぁ」と思いました。
要は、あのラストは最初から決まっていて、原作者の宇仁田さんは、過剰な演出と少女漫画的な「恋愛」を描くのが不得意だということ。
それ故に、第一部の、ダイキチ目線の物語が、「大人の雰囲気」のある傑作になり、第二部の、リン目線の物語が、「恋愛」主体にもかかわらず、イマイチ盛り上がりに欠けるというのが、よく理解できました。
漫画家友達曰くダイキチ=宇仁田さんとのこと。
しっかりとした大人の女性(母親)が描いた物語だからこそ、第一部は、素晴らしかったのか。と改めて思いました。
ラストに関しては、「最初から決まってたんならしょうがなかったんだろうな」(そのための伏線もいろいろ張ってあるし)と、若干、肯定的になりました。(とは言え、「近親相姦」的な印象はぬぐえないのですが。それは、描かれなかった二年間が「番外編」で描かれることで、補完されるのかもしれません)
いろいろ、充実した「解説本」です。(というか、これは「対談集」かも…。)
『うさドロ』ファン一読の価値ありです!!