和田の130キロ台はなぜ打ちにくいか (講談社現代新書)
タイトルへの筆者なりの答えは分かりやすいものになっています。
ただそれ以上に、詳細に描かれた和田選手の野球人生を読んで欲しいです。
甲子園に出場し、一定の評価を得てはいたものの、
名門早稲田大学でレベルの高さに驚かされた彼が、
いかに努力し、江川の奪三振記録を塗り替えるまでになったのか。
その活躍の背景に興味を惹かれました。
野球選手の卒論が読めるなんてのも滅多に無い機会かもしれません。
ユダヤ人の脅威―アメリカ軍の反ユダヤ主義
この著作は、19世紀末から第2次世界大戦にかけてのアメリカ軍に存在した反ユダヤ主義を、軍情報部の秘密資料を中心とする膨大な資料を解読して提示した著者渾身の力作。ナチスの反ユダヤ主義が強調されがちであるが、ナチスに敵対していたアメリカ上層部にも根強い反ユダヤ主義は存在した。こういったアメリカにおける反ユダヤ主義は、9.11の同時多発テロ以降も形を変えて継承されている。「文明の衝突」を批判する向きもあるが、本書を読めば、「文明の衝突」が現在の紛争の根底にあることが確認できよう。