<東映オールスターキャンペーン>吉原炎上 [DVD]
名取裕子をはじめ、二宮さよ子, 藤真利子, 西川峰子, かたせ梨乃等、個々のキャストをきちんと立たせて、女の生き様を骨太に描いた群像劇の傑作です。
当時の時節柄か、どうしても“お色気” のプロパガンダを気にしてしまいがちですが、花魁道中などセットやスケールもかなり凝っています。
金八先生シリーズ、「序の舞」の頃の、名取裕子は綺麗です。
かたせ梨乃
金田石城作の着物を着たかたせ梨乃写真集。
ヌードとかは皆無。着物を見せるのがメインの写真集だからでしょうか。着物の柄は、黒、グレー、白、金のみ
のモノトーン柄で、墨の世界をイメージしてるとか。けどデザイン自体は、かたせさんが着ることを考えてかなりダ
イナミックなものになってます。
そういう着物写真集ではあっても、一番いいショットは髪の毛を赤のメッシュにしたかたせさんが黒い着物を
着、しかもブーツを履いていて太腿が着物の裾から見えるやつです(これが目当てで買ったようなもんです)。
身も心も [DVD]
頭でっかちな学生が映画を作るとこうなるという見本の映画。
別に作品として悪くは無いし安心して観られるので理屈っぽさは多めに見てあげましょう。
注目して欲しいのは、かたせと永島の女としてのキャリアを積んだベッドシーンだろう。
それほど過激でもないが、円熟した女の堂々とした枯淡の濡れ場を堪能出来るだろう。
嬉しいのは二人の肉付きが全く対照的な点である。
作品として、そのことをさりげなく際立たせるかのように、相手の男役は柄本の一人舞台となっているのが心憎い演出。
また「最中」の柄本の背中に自然に視線が向くかと思うが、これはもはやコメディである。
したがって別に全共闘がどうのこうのといった事が作品の本質では無いので有る。
肩の力を抜いて心にゆとりを持って作品に接すれば、ギャグ満載の傑作コメディとしても十分楽しめるはず。
犬笛
西村寿行の小説で何が面白いというと動物が出てくる小説に限る!
西村寿行の小説は、勧善懲悪ものがほとんどで、最後まで読み切ればすっきりするのだが、この「犬笛」は終わり5ページくらいまではらはらするのだった。
主人公は秋津という男で誘拐された娘を捜しに日本中を追いかけるのだが、彼一人ではどうにもならず窮地に立たされるのだ。
もうあきらめるしかないというときになって、ようやく前半に登場していた小西という外事課の警察官が働き始める。
そのうえ、海上保安庁の名物船長村田も加わり、みんなで誘拐された「良子ちゃん」を救出する。
最後の30ページくらいは泣きながら読むにふさわしい、正真正銘の大衆娯楽小説だ。
良子ちゃんが救出された、ホントに良かった。
安心した。