ハシズム!─橋下維新を「当選会見」から読み解く
ほかの「ハシズム」関連本とちがうのは、この本が「遠吠え」に終わっていないことだと思った。
たとえば、橋下氏からは「役立たずの学者」と名指しされている中島岳志さんの論考(第一章)は、ひじょうに落ち着いたトーンで橋下氏の「手の内」を解明していく。そして、「冷静な眼を養ったうえで(略)私たち国民の方が熱狂に乗ってはなりません」という。
また、雨宮処凛さんは、橋下氏について直接には言及せず、ある集会で介護士の待遇改善に反対し、老人の生活保護をカットすべきだと主張する人たちが何人も現れたエピソードを紹介している。
そして、池田香代子さんは、みずからを「独裁への道の敷石となる者」として自己批判(?)することで、「わたしたち」がハシズムを生みだしているのだ警鐘をならす。
そう、モンダイはもはや橋下氏の言動のみにあるのではなく、「クソ教育委員会」や「役立たずの学者」と権威や権力を叩く姿に喜んでいる私たち自身にあるのだと、この本は言っているように思う。
もちろん、この本のなかにも「遠吠え」はあるし、兵庫のおじさんのように皮肉たっぷりの論考もある。しかし、全体を通して伝わってくるのは内なるハシズムと向かい合うためのヒントだ。
あと、「タイトル変更の舞台裏」というあとがきがいい。
中島氏のことをあまりよく知らなかったけれど、「こういう考え方をする人なのか」と、彼のほかの著作も読んでみようかという気になった。
憲法違反とも言われる教育基本条例や、当選時の会見が省略なしに全文掲載されているのもプラス評価。
上野千鶴子さんや八木啓代さんといった人の書き下ろしが読めるのも得した気分。
ただ、いくつかのコメントがネットでも読める点だけ、星ひとつ減点しました。
禁じられた歌―ビクトル・ハラはなぜ死んだか
ビクトル・ハラというシンガー・ソングライターの生涯をとおして、ふだん我々に入ってくるラテン・アメリカについての報道は、ほんの一面しか伝えていないことに気付かせてくれる。共産主義・社会主義についてのイメージも日本とラテン・アメリカでは大きく異なることがわかる。ラテン・アメリカ各国の現場に飛び込み、多くの友人を持つ著者でなければ書けないことが沢山書いてある。この本をきっかけに、もっとラテン・アメリカのことが知りたくなった。
ちなみにビクトル・ハラは政治プロパガンダ歌手では決してない。彼の音楽は歌詞を抜かしても、他にない魅力を持っていることを記しておきたい。
ラテンに学ぶ幸せな生き方 (講談社プラスアルファ新書)
作者がラテンの国で本当に幸せに生きているって感じられて、こっちまでその幸せが伝わってくるような一冊です。
「なんでもあり」でくよくよしない、
お金がないから結婚して、子どもを産む。
がつがつしない、そんなおおらかな生活のラテン人。
そういう生き方ができたらいいですね。
ただ、パーティで食料がないからっていきなりその場で捕まえた蛙を焼かれたら困りますが・・・
でも、以前ノーベル賞を取ったメキシコ人作家が「笑顔の仮面を泣き顔の上にかぶっている」といったメキシコ人
本当はそんなに能天気な人ばっかりじゃない、んじゃないかな。
でも笑顔で生きていたら本当に幸せになれる、そうそう思って今日も'スマイル'