iBT No.9 閉鎖病棟
閉鎖病棟 (新潮文庫) |
箒木氏の作品は、安心感があります。
タイトルにもドキドキさせられますが、決してそれを裏切らない(いい意味で内容が思っていなかったものだったりということもありますが)安定感があります。 そして、くじけても立ち上がる人が必ずと言っていいほど出てきます。 今回に関して言えば、少女を大事に思う人たちの心です。 病院ものでは、とても辛いものが多いのですが、ジャンル分けができないところにまで踏み込んでの作品に、圧巻でした。 30冊でやめるなどとは言わずに(もう超えていますよきっと〜)どんどん書いて頂きたい! 箒木さんの作品の初心者さんにはガツンときてくれるであろうお勧めの一冊です。 |
臓器農場 (新潮文庫) |
この物語は、大変語るのが難しい。
「無脳症児」というのを御存知だろうか? 2000件に一件くらいの割合で生まれてくる、畸形とでもいうか、脳がない子供の事で、母親の体内で死産してしまうか、生まれてきても1週間ほどで死んでしまう子供?の事だ。(そもそも無脳症とわかった段階で堕胎するのが普通なそうだ) ここまで書くだけでも相当勇気がいるのだが、この物語は、内臓移植の問題と、その無脳症の子供?の内臓を移植に使う事が倫理的にいかがなものか? という話になり、さらに一歩進んで偶然に生まれてくるのを待つのではなく、人為的に作ってしまう…という分野まで踏み込んでしまう。 これが完全にフィクションなのか、実際にはこれに近いような事が行われているのか? この本の描写があまりにリアルすぎて、自分でも判断がつかなくなる。 主人公の看護婦は専門学校を卒業し、最初の病院でこのようなトラブルに巻き込まれてしまう、自分の好きだった先生も組織に殺されてしまい、その調査中に同期の一番仲の良かった子も殺されてしまう。 障害を持って生まれてきて、生きるには移植しかないという子供と親、その子を救おうとする医者、それを利用する病院と業者、医者も倫理より自分の名声を優先しようとする人、金だけの人…と色々な登場人物が出て、この結論は自分の中でしか解決できない。 これを読んでどう思うか、色んな人と話してみたくなる本だ。 いずれにしても、読み終わった後の「違和感」は過去最大かもしれない。 |
ソルハ |
アフガニスタンのこと、何も知りませんでした。タリバンのこともバーミヤンの石仏のことも。そんな予備知識がない者にも読めます。読めるどころか、読み終わった後、アフガニスタンのことを調べたくなります。今も世界のどこかでは戦争が起きているし、女性差別が起こっているのだということを知り、考えさせられました。
良書です。 |
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