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大誘拐 RAINBOW KIDS [DVD] |
奇想天外な誘拐物語。刑務所を出所したばかりの健二(風間トオル)は誘拐を企て紀州一の地主でお金持ちでもある柳川家を狙う。
ここで面白いのは、誘拐された柳川とし(北林谷栄)が身代金5000万円として、見くびっては困ると、健二らに怒り、100億円もの要求をするように指示することだ。誘拐犯ととしがいわば仲間になり、警察を相手に勝負を挑む。スリリングでもありが独特のユーモラスもあり最後まで飽きない。 奇才、岡本喜八監督の晩年の名作の一つであろう。 |
手紙 -殺しへの招待- DVD-BOX |
不可思議な手紙から始まる殺人、そして描かれる複雑な人間模様…。夫婦とは、男と女とは、そして人間としての姿勢とは何かを問いかけてくるエロティックで秀逸な内容は一見の価値あり。竹下景子のひたむきさ、初々しさが光る。個人的にはトップ屋のハトリさんが◎。 |
大誘拐―天藤真推理小説全集〈9〉 (創元推理文庫) |
誘拐事件ながら軽快な喜劇タッチで進められるため、興味の対象はストーリーの展開とミステリーの仕掛けに集中していく。
人質自らが身代金を100億円に吊上げ、誘拐事件は前代未聞の規模に発展する。しかも、犯人は身代金の引渡しを含めて2度の接触を試みるのだが、事前に手紙でかなり具体的に接触方法を指定してくる。 読んでる方としては、この難題がどう解決されるのか著者に挑む気持ちで読み進める。なにせ第32回日本推理作家協会賞作だ。 最初の接触はまさに奇想天外。『そう来たか!』と脱帽させられた。しかし、最後の身代金の受け渡しは細部にわたりよく練られているが、奇想天外というほどではない。最初の接触の展開が素晴らしかっただけに、尻すぼみ感が残った。 |
大誘拐 (双葉文庫―日本推理作家協会賞受賞作全集) |
天藤氏を一躍有名にした作品で、映画化もされた。しかし、ファンにとっては「陽気な容疑者たち」で乱歩賞を取っていてば、もっと早くミステリ界の中心に躍り出ていたのになぁ、と感じる方も多いだろう。だが、こうした歩み方も天藤氏に似つかわしいのかもしれない。
話の中心人物は、関西財界の影の大富豪の刀自である。この刀自が誘拐にあうのだが、そこは天藤氏の事、唯の誘拐劇には終らない。作者らしい、ユーモアに溢れた文体とストーリ展開の中、警察側と、"誘拐団"とのアイデア一杯の知恵比べが繰り広げられる。誘拐劇に絡んで登場する刀自の懐刀の女中の人物造詣も巧みだ。 誘拐を扱いながら、全篇が明るく楽しくできていて、サスペンスも充分。それでいて、誰も傷つけない。天藤氏の魅力が爆発した日本ミステリ史上に残る快作。 |
死角に消えた殺人者―天藤真推理小説全集〈8〉 (創元推理文庫) |
細かいことを言い始めると、リアリティに欠けるところもないわけではない。またプロットから犯人も分かってしまう。けれども、そんなことを言わずに楽しみたい。天藤真らしい一作だと思う。読後感も良い。 |
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