猿の惑星 (創元SF文庫)
あまりにも有名な映画「猿の惑星」の原作であるが、内容はかなり違う。特に映画史に残るあの衝撃のラストシーンは原作にはない。
ラストは映画とは違うが、ある意味別の衝撃を受ける。
映画化された小説で、小説も映画も両方素晴らしいという例はほとんどないが、「猿の惑星」はその稀有な例と言えるだろう。
猿が人間を支配する世界という基本コンセプトは同じだが、映画と小説は別物として考えた方がよい。
作者のピエール・ブールは第二次大戦中に日本軍の捕虜となった経験があり、その時の経験をもとに「猿の惑星」を書いたという。
つまり、当時の欧米人にとってアジア・アフリカの民は猿同然の存在であったのだ。
その猿同然の日本人に捕虜として収容され、支配された時に感じた屈辱。
さらにその猿同然の日本人の方がフランス人より優れた兵器を製造し、敗北した事に対する恐怖。
「自分達は猿同然の日本人に立場を逆転されてしまうのではないだろうか?」
と。
そういう気持ちが創作の動機となったようだ。
もちろん日本人の僕は、そうした欧米人の白人至上主義が不愉快で大嫌いだ。
だから☆一個マイナス。
だけど、その感情をこうした創作活動にむけて素晴らしい作品に昇華させた事には素直に敬意を表したい。
創作にいたる背景はともかく、作品自体は文句なく面白いのだから。
映画崩壊前夜
蓮實さんのような人は貴重です。理論的なものを抑えたうえで、一線の制作動向を押さえ、個別の作品に愛情をもってのめりこむ。基本的に誉めるものだけ書くスタンス。
この本は。。。とにかく読みましょう。
2001年以後だけで70本以上という批評の数に圧倒されましょう。
読めば必ず観たくなる。
*蓮實さん、過去の本もどんどん文庫化してください。お願いします。
猿の惑星 [VHS]
この映画からいろいろなSF映画がたくさん生まれた。
今となってはこの手の話はたくさんあるのだが
当時はとてつもなく衝撃的な結末だったのだろう。
今でも、あの特殊メイクの技術は劣っていないだろう。
SF映画の金字塔である。
Battle for the Planet of the Apes
限定3,000枚!
本盤はFSMの、"FSM SILVER AGE CLASSICS / FSM Vol.4 No.1" です。
オールカラーの充実したライナーノーツ。
思わずジャケ買い、「猿の惑星」シリーズで、
音楽が「最後の・・・」はレナード・ローゼンマン、
ドラマのタイトル曲も収録、その作曲が「スパイ大作戦」「ブリット」
「燃えよドラゴン」のラロ・シフリンと聞けば、買わないわけにはいきません。
ご存知「猿の惑星」シリーズは5本あり、作曲家も有名どころ。
1作目「猿の惑星」と3作目「新猿の惑星」が、ジェリー・ゴールドスミス、
2作目「続猿の惑星」と5作目「最後の猿の惑星」が、レナード・ローゼンマン、
4作目「猿の惑星征服」がトム・スコット、
そして「猿の惑星」テレビシリーズは、ラロ・シフリン。
本CDは、「〜征服」14曲、「最後の〜」17曲、テレビシリーズ1曲、の計32曲を収録。
映画としては、2作目以降、特にこの2本は評価が低く(私もそれには同感)、いささか分が悪い1枚。
「〜征服」は近未来で、猿の反乱、独立の話なので、音楽もいささか'70年代風軽音楽でチープな感じ。
しかし、音楽は、「タクシードライバー」(バーナード・ハーマン作曲)のサックス奏者でも有名な、トム・スコットです。
だから、少しジャズ風だったりするのですね。
「最後の〜」ではさらに未来。猿はさらに進化していて、曲もエキゾチックで野蛮な雰囲気。
レナード・ローゼンマンらしい、オーケストラ音楽でスケールを出しています。
「テレビシリーズ」も同じくエキゾチックなメロディで、他の作品のシフリンのイメージとはまったく違う。
また、私の記憶しているドラマのテーマ曲とは違いました。
狼惑星
この轟音でたまに、陳腐で貧弱な音楽たちを蹴散らしたくなる。
<br />人間って暴力的衝動が必ず体のどこかにある。映画の「ファイトクラブ」ではその暴力的衝動とその痛みの実感こそ、生きてること、人間性の証のように描かれているが、ギターウルフの轟音というのはそれに近い。己のふつふつと沸いてくるエネルギーがそのまま音になったようなバンド。oasisのギターのデカさにハマったら、次はこの作品もチェックでしょう。