チェーザレ 破壊の創造者(9) (KCデラックス)
久しぶりの単行本。前巻、第8巻より、約1年半ぶりの刊行で、ファンとしてはやきもきしていたけど、出版されてなにより。本当に、ホッとした。しかも、今回は今までにもまして内容も熱い。
久しぶりということで改めて前巻から読みなおしたんだけど、やはり、凄いストーリー。まだまだ歴史的には、クライマックスはこれからというところだけど、その前段で、まだ年若い主人公チェーザレが政治と宗教、聖と俗のはざまで苦悩する場面がとてもいい。この巻の一番いいシーンだろう。
また、帯にはWOWOWで5月11日から始まる新ドラマ『ボルジア家 愛と欲望の教皇一族』の宣伝が載っていたが、たまたま昨日WOWOWを観ていたら、その宣伝番組がやっていた。なんと、その番組には惣領冬実が解説で出演していた。うーん、このドラマもすごく面白そう。絶対観ないと。でも、チェーザレはドラマよりもこのコミックの方がカッコイイなぁ。
それにしても、このコミック、復活して良かった。
戦神 ~MARS~ DVD-BOX
台湾のドラマは日本のドラマよりも回が多く今回のような題材の漫画を実写化するにはちょうどいい長さだと思います。日本のように11話ぐらいだと少し無理に話しをまとめないといけないでしょうが、長いからこそちゃんと細かいところまで丁寧に表現できるんでしょう。
でも逆に長すぎると中弛みしがちですが、この戦神は最後まで飽きずに見れました。F4で有名なヴィック・チョウのルックスも一役買っていますが、ルックスだけではなく主人公・零の多くの人から人気があり明るいように見えるけれど実は孤独を抱えてるという複雑な雰囲気が演技からもよく出ていて、それも合わせて魅力的に見えました。
キラも悩みを抱え苦しんでいましたが、零と出会いお互い癒しあえる関係になり前向きになっていく姿はドラマと分かりつつこちらも清々しい思いでした。
押し付けがましくない恋愛ドラマで、日本の漫画原作だからか世代をあまり問わず多くの日本人女性からも支持を得そうなドラマだと思います。
あと、カメラの映し方や構図がダイナミックで少女コミックとの絶妙な融合で日本にはない台湾ドラマのかっこよさを感じました。
チェーザレ 破壊の創造者(8) (KCデラックス)
1492年。
レコンキスタが完了し、スペインは真のキリスト教国となった。各地で祝宴が開かれ、みなが喜びに沸き立つ。
チェーザレはロレンツォ・デ・メディチに招かれ、フィレンツェでの祝祭に赴く。
同行者はラファエーレ・リアーリオ。
真の目的は同盟の確認。
パッツィ家の陰謀事件以来の確執を乗り越え、ロレンツォとラファエーレは向かい合う。
北方の脅威に備え、ジュリアーノ・デッラ・ローヴェレの目論む教皇庁とナポリの接近を阻止するためにも、三者の同盟は必須なのだ。
しかし今、イタリアの支柱であったロレンツォは病に侵され、倒れる寸前にあった・・・。
歴史が動き、チェーザレが少しずつ政治の中枢に関わってくる。
嬉しい!楽しい!!
難しくなってくるけど、そこがいい。読み応えあるよ〜!
挿まれるピサでのドタバタに和まされる。アンジェロ・・・よかったネ。
チェーザレ 破壊の創造者(6) (KCデラックス)
15世紀後半から16世紀前半のイタリア・ルネサンス期、軍人であり政治家であったチェーザレ・ボルジアを描いた、第6巻。
読み物という形式の中で、漫画の長所の1つは、「表情や仕草などを直接的に表現できる」ことだと思います。
そういう意味でも、ストーリーもさることながら、毎巻チェーザレの人間味溢れる優雅さにうっとりとなります。
惣領冬実さんの描く(『チェーザレ』だけに限らず)、冷たく綺麗な絵は、まるで絵画を眺めているようだ。
そして、この巻の後半には、幼少期のチェーザレとミゲルが出会うシーンが描かれている。
優雅さの萌芽を見せつつも、チェーザレの健気で純粋な表情の数々には、心を打たれました。
『チェーザレ』という作品は、それらを眺めるだけでも、とても価値があると思います。