ハカイジュウ 5 (少年チャンピオン・コミックス)
本作品は、この5巻まで読んでこなかったのだけれど、既巻を一気に読み終えて、複雑な読後感が残っている。つまらなくはないが、色々とモヤモヤしている。そして今後の展開や大団円に対しての期待も、あまり持てずにいる。
1巻からそうだった。1話目の爽やかストーリーからの「そりゃそうなるだろう」というどんでん返し。怪物の恐怖が落ち着いているところでは、人間の極限状態での精神崩壊的展開かと思いきや、壊れたのは元からイカれてた変態教師だった。政府や軍隊の介入もよくある話。衝撃はあるが、慣れれば中弛みも感じ、全体通してもう少しコンパクトにまとめてほしかったところ。
帯にあった「まだまだ殺し足りねぇ」というアオリも卑怯だ。怪物たちに意思があるかのような書き方に、全然違うものを期待してしまったが、やっぱりよくあるモンスター系のパニックホラーじゃないか。そういう意味では王道に描かれてはいるが。
怪物たちの出現理由等が全く不明なのも気になる。ストーリー自体に捻りが少ないので、怪物周りでどんどんオリジナリティを出してもらわんと、衝撃は希薄になっていくばかり。
核心は明かされないまま、4巻で絶望のまま幕を閉じるという荒業で終わるかと思いきや、新章に突入。主人公が代わり、思わぬ方向に話は流れたものの、果たしてラストに期待してもいいのだろうか。
と、散々書いたが、続きも気になる。これから伏線を手際よく回収し、この漫画独自の大どんでん返しがあることを願う。