Brain Salad Surgery
しょっぱなの「Jerusalem」から圧倒されるモノがあるが、何より2曲目「Toccata」を初めて
聴いた時の衝撃といったら・・・カルチャーショックに似たもんがあったね。。
キース・エマーソンのセンスがあったからここまでの次元に辿りついたとゆう瞬間だ。彼の
凄さは一般的にわかりやすい多くの中からどんな波が流行るのかをみつけだすセンスではなく
核と云わんばかりの絶対的なものをどれだけ広げれるか、どれだけ伸縮自在に表現できるか
とゆうセンスだ。
まだ動乱期だったこの頃の時分にここまでモーグ・シンセを自分のモノにして操れた才能が
まず素晴らしいし(クラシック、ジャズ、ロックと多種多様な音楽性に精通しているからこ
そここまで伸縮自在になれる)、後続に道を示し導いた功績はあまりに偉大だ。
「Karn Evil 9: 1st Impression-Part 1」と「Karn Evil 9: 1st Impression-Part 2」を聴け
ばわかるが、レイクがギターを弾くときはエマーソンがシンセでベースパートを代用する事で
密度の凝縮された濃厚な曲(レイクのアクの強すぎるヴォーカル、、)なのにうにゃうにゃ
うねるようなグルーヴ感を得ることに成功した。この表現法がある種このバンドの行き着いた
頂点だと思いますね。
そして本作にはその他にも魅力が沢山あって、まずレイクがライヴで披露する弾き語り曲の
中でもとび抜けてすばらしい「Still...You Turn Me On 」が収録されてます。憂いを富んだ
繊細さがあるのに感傷的にはならず情熱的でセクシーな雰囲気が魅力。ま〜たレイクの声質
が最高に活きてるんですよ!
そしてもういっちょ「Benny The Bouncer 」はアレですねアレ。某番組の例のコーナーで
大、大、大絶賛!!とゆうか大爆笑されたもの凄い空耳フレーズがとびだしちゃいますよ(なん
かムショウに書きたくなりましたが、そしたら出逢う愉しみがなくなりまするもんね^^)。
ラストに、、個人的にEL&Pは他の大物プログレバンドと違い、メンバーチェンジによる音楽性
の変化とゆうものはないので本当に純粋な進化の過程を知る意味でデビュー作から順番に聴い
ていって本作に辿りついた方がより感動があると思いますが、、、まぁチャレンジャーの方は
いきなり「恐怖の頭脳改革」の衝撃に触れて文字通り頭脳改革されちゃっても面白いかもしれ
ませんね(笑)。
Emerson Lake & Powell
時系列でいうと、ELP(勿論Pはパーマー)の活動休止期間にあたり、音楽的にもポストASIA的な産業ロックが北米中心に求められていた時期、ASIAに参加したカール・パーマーに代わり、稀代の人気ドラマー、コージー・パウエルを迎えて製作された唯一のアルバム。
時代の雰囲気を感じさせるファットなサウンドと共に、後の再結成ELPで顕著になるキース・エマーソンのミディアム・ロック路線が台頭してきている。従ってスリリングな急速展開よりも、骨太で剛直な音楽性にこそ本作の魅力がある。(そこが従来のプログレ・ファン、エマーソン・ファンにウケが悪い点でもあるが)
そういう意味では、ミディアム・ロックというキーワードに対して、エマーソンとパウエルが夢の共演を果たしたアルバム、とも言えそう。
ちょっとしたスポーツ・ファンなら、TVのBGMとして聴いた事があるだろう、Trk1が本作の白眉。壮大なスケール感と魅力的なアンサンブルがキースの新たな音楽性を感じさせる。パウエルの重厚なドラムがよくフィットしている。またシングルカットされ、再結成ELPでも採用されたTrk4のキャッチーさも捨てがたい。また、影に隠れがちだが、貫禄を増したレイクのヴォーカルもTrk7の壮大なバラードで面目を保っている。本編ラスト、ホルストを取り上げたパウエルらしいTrk9も緊張感溢れる良質の出来だ。
往年のELPに比肩するとは言わないが、再結成ELPのスタジオ作品は遥かに凌いでいるといえる。なかなかの力作である。