藤山寛美「色気噺お伊勢帰り」藤山寛美モバイル

日本女侠伝侠客芸者【DVD】

以前、「ふじすみこ」さんは、ご自分の出演していたいわゆる東映ヤクザ映画を恥じ、作品のＤＶＤ化をいやがったり、娘さんには出演する作品は後悔しないものをと諭されたそうです。確かに後年の作品には、演技力を備えた実力女優の風格があります。ですが、「緋牡丹のお竜」やこの作品の「芸者・信次」のかっこよさや美しさは演技力や演出でどうこうできたものではないでしょう。この感じ、女性の方が受けるとおもいますけど。

喜劇人に花束を (新潮文庫)

小林信彦先生の喜劇人論です。
もう植木等さん、藤山寛美さん、伊東四郎さんの評伝といっていいでしょう。
冷静な客観的な分析の中にも喜劇や喜劇人への愛情がうかがええます。
先生ご自身のエピソードも細かく書いてあります。
最近なくなった谷さんや森繁さんのこともぜひ書いてほしいですね。

松竹新喜劇藤山寛美花ざくろ [DVD]

『ミツバチに　せき切る思い　花ざくろ　性根叩かれ　嫁、妻になる』
　　四条栄美さん、目鼻立ちハッキリ、台詞クッキリ。良妻賢母もこの幅広さ。

藤山寛美「色気噺お伊勢帰り」

［あらすじ] 男とこの世に生まれた以上は、キレイな女にもてたいのが、凡夫の常だといえるでしょう。まして日ごろが嚊ァ天下で、大きなお尻に敷かれている羽虫亭主の身ともなれば、たまには浮気の一つもして「どんなもんじゃ。わしかてまんざら捨てたもんやなかろう」といい恰好がしたいものです。このお芝居の主人公......愛すべき左官の喜ィ公こと喜六も、そんな亭主の一人でした。たまたま町内の講中とともに、伊勢参宮をした帰り道、隣家の大工で二枚目の清八に頭を下げてこう頼みます。「頼むわ、清やん。伊勢の古市の油屋で、精進落し（神事や仏事をつとめた後で、緊張をほぐすため飲んだり騒いだりすること）をしたときに、店一番の遊女お紺にわいが惚れられて困ってたと、欠。叫のお安にいうてくれ」と......。真相は、そのお紺という女は、清八の相手だったのですが、友情に厚い清やんは、自己の艶聞を喜六に譲って「喜ィ公もこれで隅におけんわ、お紺に惚れられてこうこう......」と、作り話で恐妻お安をケムリに巻きます。それで話が終ったら、世間は太平だったのですが、意外な人物の登場で、喜六苦心のお色気噺は、思わぬ方向へ発展します。さて納まりは、どういうことに？