経済と文明 (ちくま学芸文庫)
資本主義は決して歴史の必然から生じたものではなく、世界的に見れば欧州の
一部で生じた特殊な経済形態でしかない。本質的なのは「互酬」「再配分」ある
いは相互扶助的で安定した「交換」のメカニズムの方だ。
本書は言っているのはこれだけの事だ。これをダホメという国の扶助的な仕組み、
奴隷貿易でのイニシアチブを発揮した交換方法、子安貝という貨幣のあり方等の
分析を通して明らかにしてゆく。
翻訳者の一人、栗本慎一郎が巻頭解説で「言い訳」している様に
翻訳が悪いのか原文が悪文なのか極めて読みづらい。日本語として体裁をなしてな
い文章も多数散見される。
とはいえ、80年代当初、栗本効果でバタイユと共に一気にポピュラになったポラ
ンニー。ついに文庫出まで出るようになったかと感慨深い。兄弟マイケルの『暗黙
知の次元』も影響度という点では負けていない。凄い兄弟です。
ゾマホンも知らないゾマホンの国―ベナン共和国イフェ日本語学校の今
ベナンについて知りたくて読んだ1冊。
内容はゾマホンさんが作った日本語学校にて日本語教師をしていた小国さんのエッセイ。構成は、小国さんのエッセイに対して各章ごとにゾマホンさんの感想、ベナンのまめ知識が書かれている。
正直、小国さんの文に読みづらさを感じることもあったが、まだ行ったことのないベナンという国の空気が伝わってくる文だった。また、嫌になりそうな文化・風習にたいしても温かい眼差しを向けており、小国さんの人柄の良さが伝わってくる。
一方で、ハチャメチャな日本語のゾマホンさんの文はベナン人、日本人、西洋人に対しても批判的。この辛辣さがあるからあそこまでの活動ができるのだろう。このクリティカルな発想が彼のエネルギーの源だなと強く感じた。語学力は置いといて、ぜひ駐日ベナン大使就任後の彼の活躍にも期待したくなった。
プータロー、アフリカで300億円、稼ぐ!
石川直貴氏のことは5年ほど前から断片的に情報を得ていたが、今回この本を読んで点と点が結ばれて線となり、面となった感じがする。
書かれていることは信憑性がないどころか、すべて本当の話。
もう少し基盤ができれば明らかにできることも多いはず。
続編を期待したい!