HELLO
福山雅治という男は実に不思議な魅力をもった人間であると思う。メディアを通じての露出が多いとは決していえない。むしろ少ないといったほうがいい。ドラマの主役からも遠ざかっている(私の記憶では、松嶋菜々子との共演で注目を集めた「美女か野獣」が一番最近のドラマ主演か)。それでも「好きな男」(アンアン)では常連の2位をキープしている。これは私が大学生の頃から全く変わっていない。露出が少ないにもかかわらず(逆にそれがいい効果を生んでいるのかしれない)、人気が全く衰えない芸能人なんて、男では彼くらいではないのか(女性では山口智子あたりか)。その福山雅治の第10作品目が本シングルであり、187万枚のセールスを記録した作品である。ドラマ「最高の恋人」の主題歌に採用された曲でもある。歌詞カードの写真は鳥取砂丘で撮影されたものであり(たしか撮影者は、福山が尊敬してやまない上田先生)、この頃から福山雅治は「写真」にも目覚めてゆくのである。そんな多面的な才能を遺憾なく発揮している彼の記念碑的作品を味わってみよう。本作品は福山が26歳の誕生日である2月6日に発売したというこだわりの一品なのだから・・・。
境界線上のリンボ (2) (まんがタイムKRコミックス)
様々な方向性のあった一巻に比べると二巻は(作者が連載打ち切りを知っていた為なのだろうか)ラストへ向けて収束していく感じでちょっとおもしろみが足りない感じ。でも「棺かつぎのクロ」の打ち切りかたに比べればマシでしょう。個人的には先生が師匠の弟子の頃のおはなしが見たかったなあ。 追記 「棺かつぎのクロ」は打ち切られたわけではなく2012年 1月に3巻が発売予定だそうです(GA4巻の帯より) 2月には連載再開とのこと。
境界線上のリンボ (1) (まんがタイムKRコミックス)
のんびり系ファンタジー としては及第点。
ただ、全体的に大きな盛り上がり(ヤマやオチ)が特になく、他の方が比較対象に出している「ARIA」に比べ個人的には心にくる内容はほとんど無かったです。
しかし、ロボットが月に帰る話では、想像力をかきたてるようなシーンをちらほらと出し、この作品の世界観や設定に少し期待が持てました。
1巻では、ほぼ1つの街の中でのお話だったので★3つとしました。
今後の展開に期待します。
砂丘 (初回限定版) [DVD]
欲望(1966年):ロンドン:POPアート:ヤードバーズ=砂丘(1970年):カリフォルニア:サイケデリック:ピンク・フロイド。ミケランジェロ・アントニオーニの手による2つの英語圏作品は、奇妙な符号の一致を見せている。『欲望』の中では、ストイックなまでの抽象的表現の中に、アントニオーニらしい深遠なメッセージの断片を感じ取ることができたが、はたしてこの『砂丘』においてはどうだろうか。
<ピンク・フロイドとのコラボレーション>というまがまがしいキャッチコピーが付けられた本作品は、『欲望』における完全に形骸化された<ヤードバーズ>の扱いとは異なり、アントニオーニ独特の世界観が<ピンク・フロイド>という個性に完全に侵食されてしまっている。まるで昔の<ピンク・フロイド>のミュージック・ビデオを見ているかのような陳腐なラストシーンが、アントニオーニ的な普遍性をないがしろにしているのは間違いない。撮影中、両者が反目し合ったという事実も大いにうなずける。
『猿の惑星』のロケ地として有名な<ザブリスキー・ポイント(原題)>における男女の絡みは、この映画の中で唯一アントニオーニらしいメッセージ性を感じる。「排除しなければ先へ進めないのか」資本主義に対する究極の命題を観客につきつけた後、まるで原始時代の類人猿のように砂まみれになってフリーSEXにふける若者たちを映し出す。学生運動の集団にも溶け込めず、かといって体制に尻尾をふることもできないマークは、まるでどこか別の惑星を思わせるこの<ザブリスキー・ポイント>を「自分に似ている」と恋人に語るのだった。
HAPPY SONGS
日本を代表するロックバンド、ブルーハーツーハイロウズのギタリスト、真島昌利のソロ2作目。
ロックのスリルを体現するマーシーとはまた違った面が楽しめる。それは、崩れ去って戻らない時間の中で、儚い情景を拾い集めて写し出し続ける詩人としての表情だ。「オーロラの夢」、「夜空の星くず」、「サンフランシスコの夜はふけて」、美しくて、だから消えてしまいそうな心象を、彼は描き続ける。そしていつも変わらないのは、どのようになっても失われない、折れる事のない心の強さだ。
「ホープ」で涙し、「ハッピーソングス」で気持ちよく送り出される、私の中では日本のポップスの名盤です。
それにしても5枚目のアルバムは、いつ届くのだろう・・・。