「遠い空の向こうに」オリジナル・サウンドトラック
「リバー・ランズ・スルー・イット」のヴァイオリンの響きが蘇るような
作品。50年代を意識してか、50'sのナンバーだけでなく、スコアそのものが
年代によく合っている。空に吸い込まれていくかのようなそのメロディーは
時に郷愁をも漂わせている。
遠い空の向こうに
1950年後半のアメリカの田舎町を舞台に、
手作りのロケットに挑戦する4人の高校生の話。
実話が元になっている。
小さな田舎町で仕事といえば炭坑ぐらいしかなく、
よほど経済的に余裕がない限り、高校を出たら
炭坑夫になるのが当たり前の町。
そんな中、ふとしたきっかけから
ロケット作りに挑戦する決心をした主人公たち。
その苦労具合や周囲との人間ドラマが描かれている。
主人公の父親は堅物で頑固な存在として主人公のロケット作りの障害となる。
しかし炭坑夫としてリーダーを務め、人望も厚く、
息子のことも想ってくれているのがよくわかる。
ストーリーそのものは単純だし、出来すぎた展開にも見えるが
作品冒頭に挿入される通り、
「実話が元になっている」ということで説得力が強い。
どの登場人物も非常にいい「顔」をするのも特徴のひとつ。
まっすぐ空を飛んでいくロケットに夢を感じる人々の気持ちが
うまく表現された作品。強くオススメ。
遠い空の向こうに [DVD]
この映画は一般的にはあまり知られていないような、まさに隠れた名作です。炭鉱の町で暮らす少年ホーマーはロシアの人工衛星が空の彼方に光輝く姿を見てからロケットに興味をもち、自分がやるべき事はこれだと確信して仲間達とロケット作りに没頭します。彼らはいくら笑われようと失敗しようと誰に反対されようと、その夢を捨てません。彼らの夢と希望、みんなの思いを乗せたロケットが青空に上がっていき、その姿が遠く消えて見えなくなった時、僕の心を覆っていた迷いや不安も一緒に消えて無くなっていく気がしました。僕の背中を優しくおしてくれたそんな映画です。
遠い空の向こうに [DVD]
人々が見守る中、少年たちの夢を乗せて、はるか空の高みに向かってまっしぐらに飛んで行くロケット。何度か登場するそのロケット発射のシーンがすごくよくて、清々しさにあふれていて素敵でした。
自分と同じ炭坑の仕事についてほしい父親と、空に向かう夢の道に進みたい息子との衝突。ロケットを飛ばしたい夢を応援し、主人公のホーマーの背中を後押しする教師の力強い励まし。いくつかの試練を経て、それでも夢をあきらめずに、ロケットの打ち上げにチャレンジし続けた「ロケット・ボーイズ」の四人の少年たち。
久しぶりに見たのですが、「こんなに胸が熱くなる、素敵な映画だったんだなあ」と、改めて感動しましたね。ソ連の人工衛星スプートニクが夜空に描く光の軌跡を見て、ホーマーがひとつの夢を見つけるシーンをはじめ、あちこちで目頭が熱くなりました。
原題は、宇宙に向けてスプートニクが空を飛んだ1957年10月にちなんで、『October Sky』。「Rocket Boys」のアナグラム(単語のつづり換え)になっているところも、心憎いっすねぇ。
1999年製作のアメリカ映画。全体の雰囲気は、でも、イギリス映画の肌触りがしたんですけどね。
もうひとつ。オープニングあるいはエンディングで奏でられる弦楽器(チェロでしょうか)の調べが、作品にあたたかな彩りを添えていたのも印象に残ります。
サウンドトラック・フェイヴァリッツ
昔の映画のコンピレーションアルバムが多い中で、ちょっと他にみたことがないセレクトで若い人にもとても楽しめる作品だと思います。感動系の映画が好きな人にはたまらない作品だと思います。