紹介文にもあるとおり、本作の主人公・水谷優司はヤクザ(の組長)ただし、ヤクザといっても、 とことん『いい人』にしてあるのが面白い(イメージ的には『ルパン'三世』が近いかも) こんな善人ヤクザ、現実には絶対にいない。なのに不思議と違和感は抱かなかった。 『筋金入りの任侠者』という優司のキャラクターにぶれがないからだろう。こうした性格づけは、 脇役たちにも通ずる。各々キャラが立っており、中でも勝気な美人看護師・小泉温子に惹かれた。 フィリピン人のヒロイン・シェリーもかわいらしい。命を懸けて守ろうとするのも頷ける。 肝心の文章も、新人にしては上手いほうだと思った。なにより言葉選びや表現に こだわりが感じられるのがいい。おまけにかなり読みやすく、一晩でイッキ読みしてしまった。 これでミステリー色がもう少し強ければ文句なし。とはいえ、謎解きよりも人間ドラマに 重きを置いた結果だと理解しているが。帯には『私はこの人のファンになれると思いました』と 今野敏氏が記している。当方もまったく同意見。浅田次郎の『きんぴか』や『プリズンホテル』など、 あの手の人情話が大好きなら、本作もたぶん楽しめると思う。評価は今後の期待を込めて★五つ。
ゲームと同じセリフでした。
「見るドラマからやるドラマへ」。 春、夏、秋、冬それぞれの季節で展開されるやるドラシリーズの 「秋」のやるドラがサンパギータです。 絵柄も「ダブルキャスト」「季節を抱きしめて」とは少し方向を変えて 少しだけ劇画的になっています。 拳銃、マフィア、テロ・・・ヒロインとの出会いから始まる 非日常的なバイオレンスの世界。 是非、お楽しみください。
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