ヨーロッパの国歌20曲(うち1曲は欧州評議会選定のヨーロッパ賛歌=ベートーヴェン第9交響曲第4楽章の有名なメロディー)に、その第9第4楽章から歌つきの部分約17分半と歌劇トゥーランドットから「誰も寝てはならぬ!」(テノール:プラシド・ドミンゴ)をプラスしたコンピレーション。全曲カラヤン指揮で、M22だけウイーン・フィル、残りは全曲ベルリン・フィルの演奏。目玉はヨーロッパの主な国の国歌をまとめて聴けること。国歌はほぼ全曲1分台の短さで中には1分未満の曲もあるが、カラヤン+BPOは手を抜くことなく、敬意とヨーロッパ世界に対する愛情をこめて演奏しており、立派な芸術作品の域に達している。こんなに美しく国歌を奏でてもらえるヨーロッパ国民が羨ましいし、各国民は自国歌を誇りに思うだろう。全体としてヨーロッパ世界への賛歌と言える作品。珍品だが、優れた名演集としてお薦めできる。
国歌は全部1972年録音で、M21は62年、M22は81年の録音。しかし録音の古さは感じない。添付の短い解説が面白い。本作に収録したほぼすべての国歌の由来や作曲者だけでなく、ギリシャ国歌の詞は158節まであるが通常2節以上歌われることはないこと、ギリシャとキプロスは国歌を共有していること、ハイドン「皇帝」はドイツ国歌として有名だが、オーストリア国歌だった時期もあること、デンマークの国歌は2曲あること、といった豆知識が得られる。最も古い国歌はどれか、今のオーストリア国歌の作曲者は誰か、もわかります。
フランス革命を描いた数ある映画の中で、本作はその最高峰と言ってよいでしょう。革命側のメインキャラにダントンやマラー、ロベスピエール等の指導者ではなく、無名の民衆が当てられているところに、時代を変革していくのは権力者ではなく民衆の力であることが見事に表現されています。旧時代の価値観にしがみ付く王や貴族たちの滑稽さや、ハリウッド映画等では美化されがちなマリー・アントワネットの辛辣な描かれ方等に、ルノワールのリアリズムに徹した歴史観を感じました。
「かつて自由とは、民衆にとって身分違いの女に恋するようなものだった・・・だが俺たちの努力で、恋人は民衆の腕の中。まだ妻ではないけれど、完全に自分のものにするには苦労するだろう。でも知り合えたんだ。たとえ引き離されてもまためぐりあえる」(主人公アルノーの台詞)
そう、自由は空気のように当たり前にあるものではなく、闘い取るものなのです。自由も民主主義もまったく形骸化してしまった現在、その意義を思い起こさせてくれる名篇です。
技術的なアラなどはあるものの、異常にテンションが高く、すさまじい勢いと熱気で聴かせます。正統派のマーチとはまったく違いますが、このノリの良さはハマると抜け出せなくなるほどに魅力的です。特に、前半に収録されている吹奏楽のためのマーチ(ここでは弦楽器も加えた管弦楽編成)でこの演奏の性格がぴったりハマっていて、とても楽しいです。普段あまり聴く機会の無い曲が含まれているのもポイント。
クラシックを日常的に聴いている人はもちろん、普段クラシックにあまり馴染みの無い人でも楽しめるアルバムだと思います。
音質はあまり良くありませんが、演奏の性格上、あまり気になりませんでした。
監督ジャン・ルノワールは、父である画家・ルノワールのキャンバスを銀幕に持ち変えて、フランスの芸術性を世界に知らしめた。 彼が描くものは、血で築かれた国家であり、汗と埃にまみれた民衆のエネルギーである。 そして、彼の作品が普遍性を持って評価されるのは、その大きな代償の末に、自ら勝ち取った「自由、平等、博愛」の精神に貫かれていることだ。 フランスの誇りここにあり!アメリカ独立宣言も日本平和憲法も、ラ・マルセイエーズにはかないません。 真骨頂のDVDです。
銃を取れ♪ 隊列を組め♪ 汚れた血で田畑を潤せ♪ マルセイユ義勇兵たちが、勇ましく進軍歌を歌いながらパリに攻め入る。 後のフランス国歌となった “ラ・マルセイエーズ” ダイナミックでありながら、とても人間的。 義勇兵の中に、この“ラ・マルセイエーズ”を 「半月ですたれる」 と、けなしていたのですが 半月どころか、200年以上の超ロングヒットですよ(笑)
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