この映画を観に行き、なんて不思議な映画があるのだと驚いたほどです。音楽にあわせて、何もない砂漠が映し出される。その中に「パリ」がある。なんとも不思議です。
離ればなれになった息子に出会い、道路を挟んで大股で一緒に歩くシーンに、涙が出ました。そして一緒に妻を捜す旅に出ますが・・・
ベンダースならでは出来る作品なんだと思います。
やっと出ましたね。雑誌で知って即予約しました。 絵も音楽もストーリー展開も時間の長さもそしてラストも全て好きです。自分の中の何本かある完璧な映画の中の一本です。 興味があって、今回初めて観る人もいると思うので、あまり詳しくは言いたくはないですが、決してお互い視線を交えて自分の相手に対する想い、その辛さ、そして失ってみて改めて気付く相手の大切さを話す事はなく、あってもそれは数分の事で、大半は一方的に相手を見つめながら、相手の視線を感じながら背を向けてでしか胸の内を晒す事が出来ないシーンは心に強く残ると思います。 そして僅かばかりの希望がありそうながらも、決して明るいとは言えないラストシーン、心に沁みる事間違いないです。
また監督のヴィム・ヴェンダースは小津安二郎監督のファンと言うのは有名ですが、これは小津監督の東京物語と云う作品へのオマージュ、じゃなければ返事、回答とも思えます。 相手に対する想いや愛が強いからと言ってそれが決して幸せには結びつかない、逆に結びつかせるどころか現代は家庭を崩壊させバラバラにするもの以外の何ものでもない、そして想い愛する人を幸せにするにしても、一つ屋根の下に住む事ではなく、一人遠くから思うだけしかない。そんなシビアな視線を感じさせる作品でもあります。
これは、カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを獲得したヴィム・ヴェンダース監督のロード・ムーヴィー『パリ、テキサス』パリ、テキサス デジタルニューマスター版 [DVD]のサウンドトラックのデジタル・リマスター盤です。
このサントラに引用された映画内のセリフを聴けばわかることなのですが、歳の離れた夫婦と幼い子供が離れ離れになったまま、子どもが自動車の旅の末に再会を果たすも、また一緒に暮らすかどうかは未定という映画のストーリーどおり、ライ・クーダーが、どこか芯の抜けた世界をほとんど自身のスライド・ギター一本の演奏で表現しています。
ひずんだスライド・ギターの演奏が弦の切れたような音を残して終わる最後は、すべてが宙づりになった暗闇の世界を、ぼくらに暗示します。
今回リマスターされたことで音質はよくなりました。でも、日本盤ライナーはアナログLPのものをそのまま転載。9で映画からの英語セリフの引用には、原文と対訳がついていますが、でも、4のラテンの伝承曲の歌詞・対訳はなし。 この日本盤のおまけが貧相なことに対して、星ひとつ減点で星四つの評価にします。
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