「私たちが「隠されているもの」を見ることに夢中になっているとき、私たちは、あまりにあらわになっているために、それを「隠されたもの」であるとさえ思うことのできないものを構造的に見落とし続けることになる。」
またまた内田先生の本を読んでいます。今回は「みんなが見ている映画を分析することを通じて、ラカンやフーコーやバルトの難解なる述語を分かりやすく説明すること」を目的とした現代思想の入門書です。エクリチュールやパノプティコンなどの言葉が何の説明もなく出てきますので、『寝ながら学べる構造主義』くらいは読んでおいた方がよいでしょう。冒頭の言葉が本書のエッセンスです。MephistoWalkerが今抱えている問題に、一度適用してみようと思っています。
筋立てのよさ、テンポの速さ、ロケシーンの見事さで ヒッチコック作品群の中でも最高ランクの作品である。 まずスパイ事件に巻き込まれる設定の主人公のケーリー・グラントがいい。 一見、堅物2枚目、実はおっちょこちょいで面白い。 ユーモラスな仕草が度々出てくる。 大平原のバス停で道を挟んで見知らぬ男と向き合うシーン、 続いて飛行機に狙われ、トウモロコシ畑を逃げ惑うシーン、 ラストのラシュモア山の歴代大統領の巨大肖像での格闘シーン、 印象深い。 サスペンス、アクション映画好きには忘れられない名作である。
アルフレッド・ヒッチコック監督作品では『裏窓』とともにベスト1、2。
ただし粗も目立つ。
・なぜケーリー・グラントは警察に助けを求めないのか。理由が弱すぎる。
・なぜケーリー・グラントは不自然な女(エバ・マリー・セイント)にだまされるのか。
女好きというだけでは弱い。
ですが、これはそういうところに目をつむってみる映画ということでしょうか。
これまで、5回見て思ったまったく同じ感想です。
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