蕪村のお墓を京都で見て、芭蕉への憧憬を蕪村伯が書かれた奥の細道写本で見ました。
そのお寺、金福寺の美しく静かだったこと・・・
蕪村伯の絵を銀閣寺でも拝見しました。むしょうに蕪村伯に憧れ初めて買った1冊目です。
またこの本をもって金福寺にいってみたいです
俳聖芭蕉の発句集としてその掲載句数、解説ともに資料としても一級品である。芭蕉がいかにして芭蕉になったかが分かる。 芭蕉研究だけでなく、一般教養書としても一読する価値がある。
カラーページが多く、とても充実した内容です。与謝蕪村のこうした美術作品の書籍は高額なものが多いのですが、この本は低価格で内容も満足のいくものです。与謝蕪村初心者にはおすすめです。
葉室麟の短編小説集を初めて読みました。この作家の 長編小説はモチーフが横に拡がり、しかもどこも内容が 濃いので息がつけずわたしは苦手でした。それに対しこ の短編集は起承転結がはっきりし、適度にアクセントの 強弱がついてなじみやすくとてもよかったです。 内容は、与謝野蕪村の遺した俳句をヒントに彼と友人 の円山応挙、そして蕪村の家族や弟子達の出来事を創 作したものです。著者の想像力と洞察力が短編という形 式にまとまり、読み応えがあります。蕪村と応挙の老いら くの恋の行方や弟子の大魯の粗暴の顛末、どれもひとす じ縄でいかぬ我執のあり様を、さりげない筆で書き切り深 い味わい(見返しに和紙を使った装丁も見事です。)があ りました。 ここでは、応挙に弟子入りした夫婦の意外な結末を綴 った「牡丹散る」の悼尾を飾った句を掲げておきましょう。 牡丹散てうちかさなりぬ二三片
知人から名著として当該著書を推薦されたのは遥か昔のことであるが、推薦に値する名著と納得しながら読み進んだ当時の感動が未だに記憶に残る。与謝蕪村を「郷愁の詩人」とは、実に的確な表現である。萩原朔太郎の解説の真骨頂といえよう。思い出したように時々書棚から取り出し、ぱらぱらと俳句を拾い読みしても、それぞれの俳句には解説と共に名状し難い懐かしさが伴う。
「蕪村の情操における特異性とは、第一に先ず、彼の詩境が他の一般俳句に比して、遥かに浪漫的の青春性に富んでいるという事実である」、と萩原朔太郎は述べている。
説明よりは、ここでは味わっていただくために、当該著書で取り上げられた俳句の中からいくつか引用してみよう。
遅き日のつもりて遠き昔かな 春雨や小磯の小貝ぬるるほど
陽炎や名も知らぬ虫の白き飛ぶ
愁ひつつ岡に登れば花いばら
春雨や人住んで煙壁を洩る
鶯の鳴くやちいさき口開けて
春雨や暮れなんとして今日も有
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