1980年、ジョン・デュ・カンが帰ってきた! 全12曲中、7曲ジョンが単独作曲。ヴィンセント・クレインと5曲共作。 70年代ハードロックがヘヴィ・メタル、パンクと融合した感じのサウンド。 それだけでも十分ジョンの個性が出ていますが、ヴィンセントのキーボードが加わり、一気にアトミック・ルースターに大変身。 ジョンのソロアルバムをよりヘヴィにしたアルバムです。いやぁ〜大音量で聴いたら気持ちいいこと!
とにかくジョンの本領発揮! 殴り弾いた感じの暴力的なギター、そしてドスの利かせた声。明らかに2nd,3ndよりグレードアップしてる・・・ スピード感あふれる曲(1、4、6、8、12)が多いのも特徴で、これがベテラン?と思えるほど若々しい。 むしろ若返った。ベテランの本領発揮。
ハイライトはシングルカットされた"Do You Know Who's Looking For You?"ですが、よりルースターらしいのは'"In The Shadows"!オドロオドロしてます・・ヘヴィです! そして名曲と断言できる"They Took Control Of You"と"Lost In Space"'。 '"Lost In Space"はとても美しい曲です。これを聴きながら後のバンドの運命を思うと、泣いた・・・
全曲をまとめるとJ-POPのような小奇麗さはまーーーーーったくなし。小手先の効いたこと一切なし。 ギターとキーボードが醸し出す、荒々しい美しさがあります。 ロックとは永遠に若くいられること、このアルバムが証明しているようだ。
ジョンにとって再起を図った自信作だったようですが、まったく売れなかった! 自信喪失したジョンはすぐに脱退。 これ以降ジョンが表舞台に現れることはありません・・・ソロ活動再開してほしいな・・・
※追記 2011年9月21日 R.I.P John Du Cann..........
72年発表の4作目。前作発表後、クレインと他のメンバーとの意見の対立からクレイン以外のメンバー全員が脱退。新たに元コラシアムのクリス・ファーロウ(vo)、スティーヴ・ボルトン(g)、ビル・スミス(b)、リック・パネル(dr) を迎えて制作された作品。 1.はブラスとストリングスを加えた分厚い演奏の上をクリスの濃厚なヴォーカルがそれに負けない迫力で迫ってくる。クレインのオルガン、エレピもオーソドックスなから見事なプレイを聞かせており、グループが新メンバーを加えて円熟の域に達したことの分かる見事な仕上がりを見せている。2.もブラスを効果的に配したファンキー・タッチな一曲。こういう曲にはクリスのヴォーカルはハマり過ぎであり、彼の参加によってグループの音楽性に大きな幅をもたらしたと言えると思う。3.はスティーヴの熱いギターがうねりを上げるブルース・ロック。4.はクラインの軽快なピアノの上をドロドロとマグマが流れるかのようなクリスのヴォーカルが素晴しい。こういうシンプルな曲を聴いているとヴォーカルのレベルによって曲の聞こえ方が全く異なることが良く分かる。 さすがにクリスのヴォ−カルは素晴しい。メンバーもそれを理解しているのか本作では彼のヴォーカルを中心とした作りになっており、従来の演奏重視の作風から一歩前進して非常にまとまりのよいブルース/ハード・ロックのアルバムに仕上がっている。ヴォーカル重視とは言っても随所で各メンバーの素晴しい演奏も聞かれ、それが楽曲そのものに覇気をもたらしている。彼らの作品としてはもちろんだが、英国ロックの中でもかなりクオリティの高いものの一つだと思う。タイトルも自信の現れと言ったところだろう。 ちなみにオリジナル盤はジーンズ生地のジャケットだったそうだが、99年にビクターから本邦初CD化として国内発売されたCDもジーンズ生地のジャケットになっていた。
ジョン・デュ・カーンとヴィンセント・クレインそれにEL&P参加前のカール・パーマーのトリオ編成でスタートしたアトミック・ルースターのファーストアルバム。名盤といわれ続けているが噂に恥じないハードな作品に仕上がっている。Friday The Thirteenthは今も、昔も名曲だと思う。
1971年に出たアトミック・ルースターのサード・アルバム。 前作ほど、ヘヴィでおどろおどろしい雰囲気はなくなり、カラっとした乾いた感じの音です。僕はこのアルバムからルースターを聞き始めましたが、これほどキーボードが前面に出るハードロック(+プログレ少々)はあまりないのではないでしょうか?
(1)Breakthroughではピアノが暴れまくり!「ハードロック=ギター」という固定概念を覆します。前作で荒々しいギター(これがすごくかっこいい!)を弾きまくったジョン・カンがこの曲ではしっかりとバッキングに徹している。(2、6ではいつもの元気なジョンが聴ける) (3)Decision/Indecisionはキーボードとドラムだけのシンプルなバラード。 ジャジーな(5)やファンクな(8)、インストの(4)、(7)。このあたりは人によって評価は大きく異なると思う。ヴィンセントはこんな音楽がやりたかったんだな・・・。 ボーナストラック(9)はピート・フレンチが歌っているUS番Devil's Answer。 (10)、(11)はクリス・ファーロウ在籍時のライヴです。
アルバム発表時、ジョンとポール・ハモンドはすでに脱退しており、ピート・フランチも間もなく脱退してしまったため、このメンバーで聴ける唯一の音源です。このメンバーで続いていたなら・・と惜しまれてならないほどの良盤だと思う。とくにピート・フレンチのドスのきいた力強いヴォーカルは乾いたサウンドに緊迫感を与えている。
余談になりますが、2007年leaf houndの再結成により久し振りに音楽シーンに帰ってきたピート。2008年のnewアルバムの中には、「Breakthrough」(!)のカヴァー!歌っているのは、もちろんピート!!ルースターのファンの方は是非そちらも御一聴してほしい。(MySpaceで聴けます!)
短く終わらせるつもりが、ついつい長くなっちゃいました・・・
※追記 2011年9月21日 R.I.P John Du Cann.........
ブリティッシュロックバンド、アトミック・ルースターの1st。1970作
オルガンを中心にしたギターレスのトリオ編成ながら、
ELPのようなクラシカル志向ではなく、あくまでもハードロック、
そしてブルーズロック的な質感で聴かせるサウンド。
ドラムを叩くのは後にそのELPに加入するカール・パーマーで、
手数の多いドラミングはこのサウンドの核をになっている。
朗々とした歌声とほのぼのとしたオルガンの音色のギャップがある意味個性的で、
フルート入りの曲もあったりとプログレとハードロックの狭間を行き来する。
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