全69章からなっているが、「死後に悪口を言うべし」の項では、まさに物事の本当のことを語る。 死んだ人の悪口をいうな、と決まり文句のようにいうことにずっと違和感をいだき、また、生きている人の言葉が、己自身の言葉を筆頭にいかにもうそくさいな、とずっと思っていた私の心がこの言葉ですっと晴れた。 問題はそれが万人に受け入れられる言葉や考えではなく、真実はどこにあるのか、を追い求めた言葉であるのか、だ。
死が始まりかもしれない、とおもえば、しっかりとその人のことを見つめ、そして思考する対象におかないと死に人に対しての批評や批判などは出来やしない。
そして、この項を三島由紀夫は、こんな言葉で締めている。自分が死んだら、幽霊になってみんなの言葉を聞きたい。「あいつと五分も話していると、ヘドが出そうだった。」こういっている連中の頭を幽霊の私はやさしく撫でるでしょう。私はどうしても生きているときに言われていたのと同じ言葉を、死後も聞きていたい。 それこそは、人間の言葉だからです。」
この「死後に悪口を言うべし」のほかにも「人の失敗を笑うべし」「人の不幸を喜ぶべし」「人のふりみてわがふり直すな」「友人を裏切るべし」「大いにうそをつくべし」などの、わくわくする項目が並ぶ。
中でも、「約束を守るなかれ」「告白するなかれ」は抜きん出て素晴らしい矜持を表現している。 三島由紀夫の作品に接するとき、どうしてもその最期が頭に浮かぶのだが、この作品にもそれは随所に表れている。どうかこの本は、いままでに誰も嫌いになったことはない、とか、うそはついたことはない、とか、自分は二番目他人の幸せがいちばん、などと思っている方は読まないほうがいい。あまりにわかりやすく、ユーモアを持って読書の心にすっと入りこんでくるので、油断もすきもない。あくまで逆説的な見解だと、理解できる首の座った大人にだけお読みいただけるといい。
本書は宮台真司や大塚英志の言説が大好きな人のための娯楽書です。
ごく少数の優れた弟子を啓蒙することで、日本の将来に希望が持てる
かのように、あえてふるまう宮台真司に対して、あえて悲観的にふる
まう大塚英志がツッコミを入れまくるという対談を、ある種の漫才と
して楽しめる人には、うってつけの本です。
そうではなく、ベタに没入して本書を読んでしまうと、宮台真司は何
を根拠にこんなに希望に満ちているのか、単に娘のいる結婚生活の幸
せをかみしめているだけじゃないのか、むしろ物語を方法論に切り下
げる大塚英志の絶望の方が、あえてする○○としては説得力があるん
じゃないのか、などなど、余計なことをいろいろと考えてしまいます。
漫才として読めば、とてもよくできています。
そのオマケとして、あくまで単なるオマケとしてですが、宮台真司が
天皇主義に転向した理由や、彼の最近の問題意識など、僕のような宮台
フォロアーにとっては聞き飽きた話をまとめて読むことができます。
読後感はあまり良くないです。というのは、本書を読むような人間を
宮台真司も大塚英志も評価しないし、何も期待しないからです。
別に宮台真司や大塚英志に「あなたは愚民ではない」という承認なんて
求めていないよ、と思いながら楽しみましょう。
死を意識することで生へのエネルギーを得る、という考え方は新鮮だった。三島由紀夫に対しては右翼のようなイメージを持っていたのだが、文章からは全くそんな印象は受けず、むしろ知的で繊細な感じがした。
松本清張、三島由紀夫などの生前の映像に興味があったので購入しました。「金閣寺」などでしか見れなかった三島の肉声の映像は衝撃でした。 棟方志功の版画作成シーンや、岡本太郎の世界観など他にもいいシーンがたくさんあるのでおすすめです。自分はすでに植村直己はテレビで見たので星4つにしておきました。
サティアンに突入した時の生々しさを感じました。実際に見た状況は凄い恐ろしい内容ですね。
世の中には陰謀論、陰謀論とトンデモ系にして目をそらせようとする動きもありますね。こうやって邪魔しようとすればするほど怪しむ人たちも逆に多くなるのですよ。私も社会がおかしいと思っている一人です。陰謀の話は他の著者やネット上でも沢山見れますが、もし全くの無実根源で、発言されている方々が頭がおかしいのだったら、むきになってまで否定しなくても誰も信じないからほっておかれると思います。
気が狂ったように論理もなく意味不明な筋の通らない否定する人たちが沸いて出てくるのは、そういった組織に依頼されてる方々の存在が容易に推察されます。
ただ日本は今騙されるかもしれないけれど、元来とても頭のいい落ち着いた人種です。皆が知ったらどうなりますかね。というよりも気がついてる人は増えてますよ。テレビだけが情報源ではないからです。悪い事をへいちゃらでやる人たちには軽蔑を感じます。早く世の中が変わる事を望みます。
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