四篇の作品よりなる。この著者の作品は初めて読みました。全体的な感想としては、表現と内容の斬新さと、ほかの作品にも期待させる勢いを感じました。個々の作品についての感想は、以下のごときです。 「グランドフィナーレ」:冒頭から隠喩・直喩の雨あられ、擬態語も盛りだくさん。メルヘンチックな表現で宮沢賢治の現代版かと思わせるが、なんてことはない、child abuseの常習者の物語。そうと分かればこの病的なほどにくどい表現は、主人公の異常な精神を表しているのかとも思える。事実、主人公が改心の兆しを見せる話の後半では、普通の表現になっていて面白い。が、話自体は竜頭蛇尾の嫌いあり。 「20世紀」:芥川賞は前述の「グランドフィナーレ」に与えられたそうだが私はこちらの作品のほうがよいと思う。些細な地方の歴史を題材にしながら、現代の情報社会、特に、記録あるいは記憶をテーマにした物語。うまく表現できないが、読み終えてさわやかな好印象を残す作品。フムと感心してしまうところもある。恋愛との結び付け方がやや強引なところを感じるが、これがさわやかさの源か、とも思う。短編小説として秀作だと思います。 「馬小屋の乙女」・「新宿 ヨドバシカメラ」:ん?という感じですが、そのセンスは、characteristicで認めます。
阿部和重は表題作「グランド・フィナーレ」で芥川賞を受賞した。出版当時、私は、主人公がロリコンであるという設定(意図的なものであるはずだが)にあまり興味がわかず、阿部のファンだから購入はしていたものの、ずっと「積ん読」にしてあった。しかし、どこだったかに、この作品が阿部の最新長編『ピストルズ』のプロローグ的な役割を果たしているというようなことが書かれてあり、あわてて読み始めたのだった。
さて、この作品が芥川賞に値する作品かどうか、また阿部の最高傑作かどうかということは措いておいて、作品自体は決して他のレビュアーの方々が苦言を呈されているほど悪い作品ではないように私には思えた。特に構成がしっかり練られており、後半の「フィナーレ的なもの」に向かう緻密な流れはすばらしかった。また、結末はオープンエンドというか、なんともあいまいな終わり方をしているが、そういう手法を選んだことを私は「あり」だと思った。
蛇足だが、本書に収められている短篇「馬小屋の乙女」の英訳が数年前にアメリカで出版されているある雑誌に載ったことがある。そのバックナンバーはもう品切れで手に入らないだろうが、私はその英訳版も非常に気に入っている。吉本ばなななどを多く英訳しているMichael Emmerichという人が訳しているのだが、このクセの強い作品を饒舌な英語の文語体でうまく翻訳しており見事だと思った。興味のある向きはどこかでご一読を。
商品発売を知ってから、店頭で普通に購入できるだろうと余裕でいました。
するとどこも予約の時点で完売・完売・完売!!
必死に探しました。
このまま手に入らないんじゃ!?と涙目。
結局発売日には間に合いませんでしたが、『入荷次第連絡をくれる』という設定があった
Amazonさんに予約。
ちょっとホッとしました。
数日後、予定よりも早く入荷できました☆との連絡を受け、即購入。
商品の中身は文句なしのものでした
スマップファンなら毎日観ていたい♪そんな一冊です。
追う側が○○○を身に着けて○○○を助けてしまうというのが なんかマトリクスの能力発動みたいな 妄執にライトパワーが勝ったみたいな不可解さ 恋人の投影と母親の投影と守るものの投影でオトナの力として守るものの投影が勝ったみたいなはなしなのか? 炎上のさきのアイドルビジネス批判性というかSF的想像力みたいなのじゃなくてなんか心情的オチでどうなんだって感じだった。 これだけアイドルスキャンダルが溢れているんだから追う側だけじゃなくてアイドルの視点もいれてほしかった。
主人公が考えている内容だとか、まわりくどい言い回しだとか、語り手と主人公が分裂しているところだとかがまさに私と似通っていて、読みながら「お前は俺か!」とツッコんでしまった。特に感動してしまったところは主人公・唯生がツユミに恋心(のようなもの?)を抱いたときに放った言葉(本書p59〜65)。だがしかし、同じ箇所で同じように感動する人がどれだけいるのだろうか…。
個人的にはかなり好きな作品だが、あまりオススメはできない。よくわからない人にはわからないように書かれてしまっているし、そういう人にはページを捲るのが苦痛ではないかと思う。
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