ALWAYS 続・三丁目の夕日[DVD通常版]
ヒットした映画の続編にはロクなものはない、というのが通説なんですが、いい意味で「ALWAYS 続・三丁目の夕日」はそれを見事に裏切ってくれました。オープニングには驚いたし、監督のアソビ心に思わずニヤリ。(笑)
前作は、その時代を知らない者にも「なつかしい」と思わせることによってヒットした。その続編である本作は、そういうノスタルジー効果をさらに充実させることに成功している。
特に私が注目したのは、この時代(昭和34年)にはあったが、今はほとんど消えた(?)ものを巧く描いたこと。それは、まずヒロミ(小雪)が見せる遠慮的な感覚。今なら、好きなんだから好きと言っちゃうところ...。良い悪いは別として「遠慮が美徳」という時代なんだよね。
思っていることをストレートに言うものじゃないという認識。その意味では時代を忠実に再現しています。
24色の色鉛筆、ハンドクリーム、前作からの繋がりであるシュークリーム、指輪ケース、カレーといったアイテム使いの巧さ。タバコ屋には「皇太子妃ご懐妊」という文字も見られるし、出来上がったばかりの東京タワーのエピソードもいい。
ベタな泣かせのストーリーも、茶川の小説の載った文芸誌をヒロミが買おうとして買えず、ラストでやっとその小説を読むという運びも、いっぱい張られた伏線をすべてちゃんと回収する脚本も見事。惜しむらくは、笑えるシーンが少なかったという点くらいか。
それにしても、この作品の時代的「ヴァーチャル度」は中々のものであり、今後シリーズ化しても上手くいきそうな「型」を作り上げることに成功している。個人的には、東京オリンピックの頃の話なんか、すごく観てみたいです。
1970ぼくたちの青春 [VHS]
大学受験を控えた進学校男子生徒4人の青春を描いた2時間テレビドラマ(1991年)。ノンポリ(吉岡秀隆)のモノローグで展開するこの作品は、異性への高鳴る鼓動と真摯で直向な恋、大人への反発と信頼、進むべき道の模索と挫折、そして甘く切ない友情が、陰影のある登場人物の描写を通して、一つの塊となって胸に迫ってくる。まさにこの塊こそが青春なのだ、と言わんばかりに。卓越した脚本と杉田監督の手腕と、若い俳優たちの真っ直ぐな演技に拍手を送りたい。特に、軽率で素直で真面目な、いかにも進学校に居そうな主人公ノンポリを演じた吉岡秀隆の演技が光る。それにしても、この人のモノローグの旨さはすでに完成の域に達しているな、と感服。
ALWAYS 三丁目の夕日 通常版 [DVD]
こんなにDVDの発売が待ち遠しい映画は初めてです。今までの映画はいつの間にかDVDになっていつの間にか店頭に並んでいる程度にしか思っていませんでしたが、今回は発売が待ち遠しくて仕方がありません。
三丁目の時代は昭和三十三年ですが、私はいわゆる今どきの若者なので昭和三十三年の事はよく知りません。しかし映画を通して当時の雰囲気を味わうことが出来ました。お互いがお互いを助け合い、活気と愛に溢れていた時代。今の日本とはどこかが違って見えました。
私が劇場に足を運んだときは三十代をこえる年代の方が殆どで若い人の姿があまり見かけられませんでした。でもこの映画は大人の方はもちろんですが十代や二十代の若い方にこそ観てほしい映画だと思いました。今の日本に失いかけているものがこの映画には詰まっていると思います。
私は邦画があまり好きにはなれませんでした。”暗い”という勝手なイメージが頭の中にあったからです。しかし、この映画は違いました。エネルギーに満ち溢れていて、観ていて気持ちが温かくなる映画でした。そして、ただ単に泣ける映画ではなく、ところどころにクスリと笑える箇所もあって見ごたえがありました。
見てない方はもちろん、劇場で見たという方もぜひ、DVDを買って寂しいときや気分が落ち込んだときに、いつでも三丁目の住人に出会えるようにしておくことをおススメします。
少しでも多くの方がこの作品を見て、日本を当時のようにお互いがお互いを認め合って生きていた時代に近づけるように変わっていって欲しいです。
ラストソング [VHS]
他の方のレビューにもありますが、この作品がなぜDVD化されないのか、本当に不思議です。
痛いほど切なくて、最高に素晴らしい映画です!
監督は、北の国からを手掛けた名演出家の杉田成道。脚本は、推理小説家としても名高い今は亡き野沢尚。そして主演は本木雅弘、吉岡秀隆、安田成美。この三人の演技がとにかく素晴らしい!
つい先日10年ほどぶりに本作をまた観ましたが、改めて名作だとつくづく感じました。
一日も早いDVD化を願います。
分岐点
個人的にミュージシャンか役者か、どっちつかずのアーティストと呼ばれる人がいる中で、吉岡秀隆は独自の音楽性をアルバムに表現している、確かに尾崎豊さんと親交があり彼の作品を愛聴していた影響もあり、尾崎豊的な感じを受けるのは確かだが確かに吉岡秀隆の独自のオリジナリティーを本作品において昇華している、聴いて趣きのあるアルバムです