メメント・モリ
「死」がリアルではなくなってきているように思える。
病院や老人ホームなどでの限定された閉塞した死。
映画やドラマ、ゲームなどでのバーチャルな
「死」の蔓延。「死」と「生」の観念の喪失。
この本には死者の写真なども
ありますが本来はそれが
非日常ではなく日常であったはず。
ページをめくる中で
リアルな「死」と直面します。
インドの駅の周辺で死体がころがっている
のを見た時の感覚を思い出しました。
メメント・モリとは「死を想え」という意味のラテン語。
私たちはいつか必ず死ぬのですから。
死を想うことで「生」への実感がわいてきます。
メメント・モリ
「やさしさ」はその人が負う死者の数に比例する。
失った者は、失う痛みを知っているから。
「死」を隠蔽した社会は、「生」の意義を失わせた。
”今此処にいる”その事実がどれだけ尊い事かを、私たちは忘れてしまったのではない。
それを元から知らないだけだ。
それは、とても哀しいこと。
Memento
mementoは、ラテン語で「記憶」。
1曲目「justice」の歌詞はぶっとんでる。「罪人臓器密売 拳銃流通闇経路」?誰が誰と戦っているのだ。何が正義なのだ。金が至上価値になっている世界を嘆いているのか。だが緊迫した曲調と相まって、切迫した迫力がある。
沈鬱な歌詞ばかり続く。しかしセカンド「オメガリズム」より少し抑えたトーンで歌われる曲が多い。ドラムもメロコアとしてはそれほど速くないテンポ中心。だが、ギターのフレーズは相変わらずキレが良く、基本的にダンサブルである。そして、ベースの存在感が大きく浮上してきている。バンド・アンサンブルが成熟してきた感じを受ける。
「こいうた」は失った恋愛の背中を見送る諦念の歌。大人すぎます。キッズに受けることを度外視してます。乾ききった悲しみ、すごいです。
ミノタウロスを戯画化したようなジャケットが、内容とややそぐわない感じがする。バンド・キャラクターとしてはこういうユーモアや諧謔になじんでいるのだろう。だが彼らの作品はもっとシリアスだし、現実と向き合って重厚だ。
やはり警句「memento mori」を連想する。死すべきわれらはそれを忘れずに生きよう。