大人のための新オーディオ鑑賞術 (ブルーバックス)
iPod全盛の今は、デジタルAudioの世紀。その前からAudioとVisualは趣味の世界だった。アナログの究極は生演奏だが、機械を使って音楽を楽しめるようになったのはエジソン以降の科学と技術の進歩の成果。
手軽になったデジタル、だがお手軽なだけでなく、本格的に楽しむことも十分にできる。
業者さんたちの勢力争いが生み出すコピー制限の世界もあるが、工夫することで、かなり自由に良い音、楽しい音楽を楽しむことができる時代。
デジタルもアナログも、ピュアもハイブリッドも、気合いがのれば手造りもあり。
納得の行く、時代分析と機器選択の哲学。
同意、不同意もふくめて、十分に楽しめる一冊。
Audioファンにとっては良書だと思う。
朝ドラ~NHK連続テレビ小説テーマ集~
NHK朝の連続テレビ小説、第一作「娘と私」(1961年4月3日)から47作「おんなは度胸」(1992年)まで
のオープニング曲すべてを、オリジナル・サントラで収録した画期的なCD。
その昔、出かけ間際のせわしい朝食をかきこんで、ばたばた出かける時間に毎朝時計代わりに、
流れていた番組たち。
あるときは、バイト先の工場の社員食堂で、またあるときは出張先の客先の休憩室で、
毎日、決まりきったように映されていた、NHKの12時のお昼のニュース、昼のバラエティ、
12:45から朝ドラの再放送。
その終了と共にお昼休みが終わりました・・・。
常に、国民のほとんど皆が当たり前のように見ていた、生活の一部だったNHKの朝ドラも、
生活の多様化とともに視聴率も落ちてきているようです。
その曲を早速、実際に聴いてみると、想像以上に覚えている曲が少なかったことに驚きました。
もっとすぐに分かる曲ばかりだろうと思ってましたが、きっと、本当によく見ていたのは、
ごく一時期だけだったのかもしれません。
それでも、作曲者は有名な方ばかりです。
ざっとあげても、三枝成章、池辺晋一郎、大野雄二、羽田健太郎、冬木透、坂田晃一、小川寛興、
山本直純・・・さすがNHKです。
星間商事株式会社社史編纂室
著者の趣味が全開!といった感じの、社史(裏社史)作りや、同人誌について愉快に綴られている1冊。星間(ほしま)商事のマークも可愛らしくほんわかしているのだが、その社史作りも進んでいるような、いないような、何ともゆったりとした物語、と思いきや、社史作りにはいくつかの困難が。だからこそ裏社史が作られるのだが、それにしても元社員のご老人たちの非協力的なこと。おまけに訳の分からない脅迫状が届く始末。またサリメニ共和国という架空の国と、この星間のつながりなど、謎も秘められている。
それにこの作品のノリを倍増させているのが、登場人物。主人公の川田幸代や同人誌仲間の実咲や英里子、会社のみっこちゃん、先輩の矢田はまだいい。誰も見たことがないという「幽霊室長」(部長もほぼ同じ)という存在からネジがゆるんでくる。本田課長は定年まで1年という気楽さのせいか、幸代の同人誌を知った途端、編纂室内でも同人誌を作ろうと、自作の小説(にもなっていない感じのお話)を持ってくる。
そんなコメディ的な要素満載の話ながら、現実問題も抱えている。恋愛と結婚、仕事のやりがい、いつまでも子どもでいられない立場(「大人になるって、さびしさに鈍感になることなのかもしれない」)など、笑いながらも読んだ人に、自分のことを見つめなおすきっかけも与えている。