この本に興味のある方は既にモリッシーとジョニーマーに興味のある方たちだろうと思うが、この本にて、彼等の存在が自分にとって何なのか、漠然としていた答えが明らかになるかもしれない。 スミス時代はもちろん、知られざるモリッシーの過去や、両親の離婚、姉の恋人に対する嫉妬心、友人の死、ほとんど登校できなかった学生時代、シリアスな事もあれば、モリッシーらしくとてもユーモアのあるおもしろいエピソードも多い。 実はモリッシーは運動神経が抜群だったなど、おおよそ想像のつかないモリッシーがかかれている。 ピアノ、ギター、サックス、あらゆる楽器に手を出してはどれもものにできなかった少年が、自分は歌えるのだという事に気付き、ジョニーマーに出会いそれまでの事を鮮やかに乗り越えてゆく様は感情移入無しには読めないのではないか。 モリッシーの事をどうしようもなく愛したくなってくる。 声、才能、それを愛してしまいたくなるモリッシーの武器はこれなんだと思う。 スミスやモリッシーファンならば誰もが知りたいであろう10代のモリッシーがここには描かれている。 ちなみに少年時代のモリッシーやジョニーマーの写真も掲載されている。
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