とっっっても可愛いお話です。主人公のアリはふとしたことで妹ザーラの靴を無くしてしまう。靴を無くしたと親に言えないアリは自分の靴を二人で使おうと言い出したのが事のはじまりです。 ザーラの女の子らしい「おしゃれをしたい。男の子の靴なんて恥ずかしい」という想いやアリの妹への申し訳ないという気持ちと「妹の喜ぶ顔が見たい」という想いがひしひしと伝わってきます。 ラストシーンが秀逸。全部を見せるラストでは ないのですがこのぐらいのほうが雰囲気というか余韻に浸れてよいかと。
こんなに心洗われる素晴らしい作品内と思います。ふとしたことから運動靴をなくしてしまった思うとのために、運動靴を兄妹の2人で使うアリとザーラ。兄のアリはマラソンの試合で、2位を狙おうとする!なぜかというと2位の商品は運動靴だから。奮闘するアリの姿、そして兄妹の愛に感動します。私は本で読んでもすごく感動しました。この素晴らしさは、充分に伝わってくるし、より一層、キャラクターの気持ちを感じることができます。
『友達の家はどこ?』『桜桃の味』などのイラン映画がすばらしいゆえに
あらすじも何も知らずに観た。
疑問に思うことや不条理な自分の境遇に対しても、何ひとつ口答えすることなく
それを受け止めてしまえるアリを見ていて、涙が止まらなかった。
妹のなけなしの一足の靴を、自分の不注意で紛失してしまったアリが、
彼女に提案したのは、『僕の靴を交替ではこう』と言うものであった。
当然妹にしてみれば不本意以外の何ものでもない。
それでも我慢を重ねてくれている妹がついにかんしゃくを起こす。
そのとき彼はにっこりと「きれいに洗おう!」と言う。
↑ここで私は涙が止まらなくなってしまった。
靴を買えない自分の家庭の貧しさ・妹への申し訳なさ・ツイてない自分への歯がゆさ等々
怒りを爆発させてしまうことも有り得たのに(今の日本では’キレる’とも言う)、
精一杯前向きに幸せになる方法を見つけるアリが愛しくて愛しくてならなくなった。
靴を洗いながらどんなに大きなシャボン玉が作れるか競争する二人を見ていると、
子供たちをこんな風に育ててこられたかな?と自分への反省も頭をよぎった。
最後のシーンで、お父さんからのサプライズを仰々しく見せない演出が奥ゆかしくて私はとても気に入っている。)
優しく素直なアリが、その後家族ともども幸せになってくれることを心から願ってやまない。
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