アシュケナージは指揮活動をメインにしているが、N響でもモーツァルトの協奏曲を弾き振りで演奏することもある。 アシュケナージのモーツァルトはニュアンスも美しく、オケとのバランスも良い安心して聴ける演奏です。フィルハーモニア管との演奏も集中力もある素晴らしい演奏です。20番以降は曲の内容も充実しており、アシュケナージの美しいタッチも冴えて聴きごたえがあり最高です!ペライアの演奏とともに最も素晴らしい全集でしょう!全集という事で価格がネックですが輸入盤なら国内盤の半額以下で入手できますよ。今年はモーツァルトイヤーですし、毎日モーツァルトのピアノ協奏曲を聴きながら過ごすのも、贅沢な音楽の楽しみ方だと思いますよ。(笑)
新聞でこのアルバムについての記事を読み、youtubeで演奏を聴いた。 その美音と、音楽の広がり、深さに驚いた。
ハイドンのソナタ集は、グールド、ポゴレリッチ、ホロヴィッツのものを持っている。 グールドのそれは、色々な意味でグールド・ミュージックというしかないものだが、 ポゴレリッチのハイドンは、スカルラッティの演奏でも聞かれた美点が生きていて、良盤。 このフー・ツォンの演奏は、それらとはまったく異なる場所で生まれている。
最初に収録されている31番の第1楽章は堂々としていて魅力的だが、 第2楽章のアダージョの深い味わいは、雲間を揺蕩っているよう。 宙にふわっと浮いているのではなく、木漏れ陽の間を歩いている時のように、 陰影と色彩が交差していく。34番から始まる2枚目も素晴らしい。
何度くり返し聴いても、新鮮で、親密。解釈や技巧を超えて、音楽が鳴っている。 リヒテルやポリーニなど、西洋の音楽家たちとはまったく違うピアニズムがここにある。
録音はロンドンの教会でなされているが、マイクセッティングがオフで(ピアノから離れている)、 その場の響きをひろっている。その豊かな残響も魅力のひとつ。 音楽との一体感、ドライブ感、美音。一級品のアート作品が持つ特徴を供えた作品。
この曲の魅力を余すところなく伝える好演奏。二人の息もぴったりと合っている。何よりも、二人から作り出された音の軽快感がすばらしい。 録音的には少々古くなったが、そんなことは全く気にならない。暖かみのある有機的な音が心を和ませる。
フー・ツォンの伝記であるが、実際に起きたこととは思えないことが記載されている。ソビエトの大量粛清などと同じように、中国の文化大革命の一面を伝えている。付録のCDは、これから購入する人のためには、サンプラー的役割をもつであろう。Sony-BMGの廃盤の部分は入っていないが、最近の録音が聞ける。興味のある方は、購入も可能ですよ。
フー・ツォンの『夜想曲』は憤怒と諦観の振幅が激しい怖ろしい演奏だ。
ポランスキーの映画『戦場のピアニスト』で使われた嬰ハ短調の遺作(20番)など、フー・ツォンで聴かなければ、その真価はわからないとさえ思う。両親を文革で失ったらしい、そしてその後の亡命生活が、彼にこのような演奏をさせるのか。異国の地で生きざるを得ないピアニストの人生は、どこかショパンの人生ともオーバーラップする。
フー・ツォンの国内盤が手に入らなくなって、嬰ハ短調は聴けなくなってしまっている。普段はおっとりとしたシアワセな生活を送ってこられたらしい遠山慶子の、おっとりそのままの全集盤で我慢しているが、この曲のみは聴くに耐えない。痛ましいフー盤を思い出してしまうのだ。遠山のは別に悪い演奏ではないのだが。
フーの国内盤全集の復活を切に望みたい。
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