それぞれにどの人物も個性が強く、印象に残りました。
実際の事件としてはとても泥沼化したのだろうけれど、映画では重すぎず非常にテンポよく仕上がっていたと思います。
ノンフィクション作品らしいけれど、事実は小説より奇なりという言葉がぴったりな人たちばかり。
サバナ・・・この映画で魅力的な人たちと街を実感しました。
一度訪れてみたいところです。
原作は未読だが、絵を見る限り「自分は生涯読まない」系だ(笑)。 だから、こういう風に実写映画化してもらえると、それはそれでありがたい。 それにしても金子組は「ゴジラ」「ガメラ」から「デスノート」から本作まで、本当に幅広い。 「巨匠」というよりも、これは「職人監督」と称えた方がよさそうだ。
ステファニーはもともと歌姫だから、演技力に関しては少し目をつむることも必要だろう。 対する満島ひかりが相変わらず凄い魅力だ。 これだけイヤ味な女を喜々として演じているところに、彼女の価値がある。 近作の「悪人」でも脇役ながら、同じようなタイプの女性を演じていたしね。
日本でこういう「歌唱映画」は珍しい。 四角関係とか、そういう「コミック的」場面よりも、ステファニー&満島の歌唱力に魅せられた。 ふたりで奏でる「プライド」は、胸に染みいる楽曲だと思う。
高島礼子演じるママが経営する銀座のクラブが、ちょっと高級さに欠けるのは、金子監督が いつも行く最上級のクラスがああいう感じなのかも知れない(笑)。 長門裕之演じる大会社の会長も人懐っこく、どちらかというとほのぼの系な感じだ。
特典映像は、本編ディスクに「プライド」のPV、特典ディスクにメイキングとインタビューが 収録されている。 どういう経緯でディズニーから発売されているかが謎だが、少なくとも廉価販売される可能性は 少ないので、この2枚組をお勧めします。星は4つ。
ベビーカーでお散歩するときにこの商品を持ち歩いています。子供が暑そうにしているときは、タオルに「シュー」として腕や首筋に付けてあげると「もっともっと(やって〜)」とうれしそうです。まだまだ使い始めですが、これからのシーズンに大活躍しそうです!
黒井嵐輔『サバンナゲーム 〜激動〜』(小学館)は『サバンナゲーム 〜始動〜』の続編である。サバンナゲームの二回戦を描く。『胎動』では日常から殺しあいの非日常への移行を描いた。非日常の世界に入ること自体がドラマであった。これに対して『激動』はサバンナゲームが当然の前提になっている。非日常が日常化した世界である。『胎動』以上に『激動』を楽しめるかは物語の世界に入り込めるかによる。
『胎動』では主人公は「飯を食うために働き、今を生きることに必死な日常」を送るワーキングプアの非正規労働者として描かれた。非日常のサバンナゲームに巻き込まれることで、その不合理さに戸惑いながらも脱出願望を満たすという側面があった。主人公が倒す相手もヤンキー連中で、現実世界の悪を駆逐するという爽快感があった。
これに対して二回戦の敵はゲーム的なキャラクターである。バトル物のために作られたようなキャラクターである。主人公サイドも歴史上の人物を視点とするエピソードが増え、巻き込まれ型の物語というよりも、ファンタジー性が増している。
それでも「おじさん」のエピソードなど普通の人の感覚を重視している。物語の途中では「おじさん」は主人公を守るために遣わされたスーパーマンではないかという想像も生じたが、その種の御都合主義は採用されていない。あくまで普通の人間として戦った。
さらに敵幹部である。殺害を好む非人間的なキャラクターであったが、回想エピソードで彼らも貧困と格差社会の犠牲者であることが分かる。荒唐無稽な展開でありながらも現実に根を下ろしている。(林田力)
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