日本が誇り、津軽が誇るフォーク・シンガー、三上寛さんの自伝。その青春時代から、近況にいたるまでの足跡を本人の言葉で語りつくしてくれている。
自分は三上寛さんのライブを何度か見たが、その歌を聴くたびに涙が出てきてたまらなくなる。あったかい、熱い涙が、ライブの何曲目かで必ず大量に流れ出してしまう。他のミュージシャンのライブを見てもそんなことは全くないのに。後から考えると、なぜ自分が泣いたのかもわからなかったのだが、この本を読むとなんとなく想像出来る気がする。
それは、歌に、音にこめている重さや熱さや冷たさと言った質の濃密さ、、他の人から受け取って聞いている人に手渡していく多くの念をこめた歌や音だったからではないかな、と思った。こう書いていてももどかしいが、言葉とはぴったりと重ならないもの、音とも密着しきれないものが三上さんの歌には詰まっていて、自分にとっては空位のままの父親であるかのように、津軽ではもうめったに会えない「はんつけにされても心優しくまっすぐで強いもつけ」のように、またはこの世では会えないはずの弥勒のように、ありえないほどの美しい世界を作り出してくれる。有り難い歌の世界。歴史上の人物のようだ。こんな人が今も生きているのが信じられないほどだ。
と言ってみても、三上寛さんの歌には程遠いし、この著書について何を書こうとここにこめられている言霊に釣り合う言葉を書ける自信がない。ライブの打ち上げでも、一言も声をかけられなかった。そばにいても、尊敬と緊張で気分が悪くなったほどだ。芸術に興味があるなら、三上寛さんの歌を聞いて、この本を読むべきだ。ライブ映像も動画投稿サイトにはいくつかアップされているし。好みが違ったとしても、日本で、日本語でこんな深みのある表現が出来ることを知ることは損がないと思う。この著書も、三上さんの肉声が生々しく聞こえるかのような濃密な一冊。
深夜食堂のオープニングは、流れる街並と寂しげだけど、 優しさを感じさせてくれる歌声が印象的。 このアルバムには、「思ひで」の他にもドラマの中で使われた曲もあって、 深夜食堂の世界観を堪能することができました。 いつからか、あの独特な世界観にぐいぐい引き込まれた感じです。
わたしは、「目が覚めた」とか「石」が特に好きです。 生きていくのも捨てたもんじゃないな、なんてよく分かんないけどそんな気分になります。 ライブもよくて、思わず口ずさんでしまったり。 そう、誰もがこころのどっかに隠し持ってる気持ちにつけ込んでくる、 そんないい曲が詰まってます。
自分は、鈴木常吉さんのHPで購入しました。
分かりやすく言うと、しんみりとしたアンプラグド音楽です。
ですが、仕事明けや日曜の夕方、ご飯を食べながら
あるいはお酒を呑みながら聴くと、何とも幸せな気持ちになれるのです。
郷愁、感傷、色々と表現する言葉は浮かびますが、
まずは聴いて下さい!!
諸般の事情で復刻されずいましたが遂に紙ジャケ仕様で発売ですね。
先ずは復刻に携わった方がたに敬意致します。
エコーバリバリでスタジオから響いてくる
流し風のギターと声は唄かはたまた叫びか怨念か。
プロツールス全盛録音の昨今事情では成し得ない、1970年代の息吹が伝わってくる。
佐伯俊男画伯作のジャケットも絶妙だ。
三上作品に限らずこの手のカタログは発売されても直ぐ廃盤になりますので御注意を。
どうしようかと迷っていたけれど、
どうしても、読みたくて注文して
昨日届いた。
「アクチュール」に連載されたものを
まとめてあるものだが、およそ380
ページに渡って、18人の俳優たちの、
その時々に「挑戦」していた映画、舞台
に向かう彼らの姿をインタビューや舞台
稽古する姿、また周りのスタッフ、共演
者などからみた姿など、多角的にとらえ
て、その時、彼らが何を思い何に向かって
いったのかを浮き彫りにしている。
彼らの真摯さ、そして、決して目をそらさない、
その姿がかなりぐっとくる。
そして、それぞれの「今」の姿が、最後に
載っているのも嬉しい。
値段的には高いかもしれないけれど、18人の
俳優たちの思いを、取り組み方を知りたいと
思う人は読んでみるのもよいと思う。
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