「真景累ヶ淵」を先に読んでいたので、ちょっとのんびりとした展開に、何か物足りなさを感じてしまいました。江戸っ子が大好きな(?)幽霊話と敵討ちの話の2本立てといった趣なのですが、この二つの話があまり絡み合ってこなくて・・・。娘が恋するあまり幽霊になってしまうという設定や、足がない幽霊のはずなのに下駄のカラ〜ン、コロ〜ンという音が聞こえてくるあたりの風情は凄く好きです!!
きっかりこのアルバムから谷山浩子は社会復帰した。オールナイトニッポンという公器を得て初期のオタクたちの女神となり得たのである。もしも当時のオールナイトニッポンが現在のバラエティ番組だったらDVD化され大ヒットを飛ばしていた事だろう。当時のオールナイトニッポンもCDにしたらそこそこセールスを稼げると思うのだがいかがなものだろうか? ま、たわごとはさておき本盤はごくごく限られたフィールドでプチブレイクを果たしていた彼女が今に至る根強い人気を勝ち得た原動力となった人気作でもある。しかしほぼ同時期にリリースされた「サーカス」が収録されていない事は残念な所。と、言うより基本このヒトのアルバムにはシングル曲は殆ど収録されないのであるが。
フリルが大きすぎないかと迷いましたが、心配するほどではなく良かったです。柄がコンパクトなのも持って歩くには丁度良く、この価格でこの商品はお買い得でした。残念なのは傘の内側の注意タグが白くて大きいので、切り取るのに傘を傷つけそうで神径を使いました。別に使用上の注意が糸で下がっているので、このタグは不要です。
国際関係論へのカーの貢献として、最も有名な書籍。一般には、戦間期の理想主義を徹底的に攻撃した事や、パワーの重要性の指摘から、リアリストの教科書として理解される。上記の理由は、特に第2部や第3部の印象の強さによるものだと考えられるが、一方で、リアリズム思考への過度の傾倒に注意を喚起する箇所があり、また、結論における未来展望等、非リアリズム学派が共鳴できる様な要素も同時に存在する。同書の後半箇所に加えて、大戦中・以後に彼が書いた書籍を読むと、一般に言われているカーとは異なるイメージを持つ事ができるだろう。
日本語版では、原版1946年版を和訳している事から、原版1939年版には存在していた、削除・訂正された箇所には注意が必要である。
また日本語版は、お世辞にも訳が良いとは言えない。もし詳細に読み、隅々まで同書のカーを理解したいのなら、当然原書を読むべきである。しかし、カーのエッセンスを抽出するだけなら、本書だけで十分であると思う。
個人的には、彼が大戦後に書いた『新しい社会』と平行して読み進めると、本書の一層の理解に繋がると考えている。
中国の明代に編まれた唐詩のアンソロジーの、岩波文庫版全三巻中の第一巻。唐詩選全七巻のうちの第一巻五言古詩、第二巻七言古詩、第三巻五言律詩を収録。
読み始めてすぐ、解題の記述が興味深くてたまらない。「唐詩選」という書名は以前から知っていて、唐の時代の詩をまとめたものだろうという予断を持っていたが、唐詩を推す勢力と宋詩を推す勢力との文学上の論争のうちから編まれた著書であってかなりの偏向があるというのは、思いもよらなかったので面白い。吉川幸次郎氏が「新唐詩選」として唐詩の中の社会性を強調したのは、おおもとの唐詩選が社会性の強い詩を選ばずに、詩の形式性の整い具合を評価基準にしていたことと、内容として孤独の境地に遊ぶ詩が多いことへの不満があったのだな、と上巻全体を読んでいけば納得できる。整った形式と清浄で自得した孤独感は読んでいて心地よく、李白の詩などは特に感じ入るところ多いが、「新唐詩選」正・続編の社会的なまなざしをも想起すればより唐詩への感受性が広がるのだろう。
第一巻から第三巻まで読んでいくといずれも劣らず感じ入ること多い一方で、自分としては七言古詩の感覚が一番読んでいて響いてきた。五言の詩句は堅固でありながらどこか窮屈で、それは当然ながら古詩よりも律詩で著しい。その技巧的高さの粋は何か想像できるが、七言の古詩の持つ奥行きと余情は、辿っていて気持ちが良かった。
日本での受容に荻生徂徠の古文辞学派が関わっていたというのも意外で愉しい。中巻、下巻と楽しみになってくる。
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