言語コミュニケーションの各ノウハウ本の中でも1番実例がありえるし、平易な文章で読みやすい。 娘と父の会話、母と息子の会話、夫と妻の会話、上司と部下の会話、果ては幼児と(!)母親の会話が非常にリアリティーがある。特に会話に表れない心の中の思いまで笑えるくらい実際的です。 カウンセラーの入門書としても最適です。
人をひきつける話には、
・意味の含有率
・ネタの準備
・ライブ感覚
・聞き手の意識
が重要だと、読みとりました。
これまで、とかく話す際の言語的な技術にばかり目がいきがちでしたが、そうではなくて、話す内容(ネタ、テーマ)こそ大切にしなくてはいけないのだと分かりました。
また、話し手だけではいい話にはならない、話し手と聞き手の間で共有するものが必要なのだということも分かりました。
タイトルは『人を10分ひきつける 話す力』とありますが、この本を読んだからといって、すぐに、人を10分間引きつける話ができるようになるとは思えません。しかし、話す力を高めたいという気持ちは高まりましたし、話す力を高めるために実践しようと思う事柄、新たに思いついた練習法も幾つもありました。
まずは、「意味の含有率」を上げるために15秒スピーチの練習から始めます。
「こころ」ってなあに?
脳の分野から、哲学からロボットからいけばなからetc
それぞれの学者が書いてて、結構面白かった
とても刺激的な対談。 YouTubeでノーカットの動画が閲覧できるので、ゴア、ボノ、フリードマン(司会)の表情や対談の雰囲気なんかも味わいたい人はこちら。 ↓ http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=4LfNXPkzMb0
同和行政について語ったものは書籍・雑誌記事を含めて、これまで多くの報道がなされてきた。
その象徴的な都市・京都の市議をやっている若い著者が、みずからの政治活動として語った点がユニークである。これまでの報道の多くが、同和行政を「裏社会」に存在するかのように語られてきたが、本書では「表社会」の問題として切り込んでおり、そこにすがすがしさを感じる。書名の仰々しさとは対照的に、その印象は実にさわやかである。
著者の行政問題を見る目は実に素朴だ。「なぜコミュニティセンターがこんなに豪華なのか」「なぜセンターが私物化されているのか」「なぜゴミ回収にそれほどコストがかかるのか」「なぜ人が住んでいるはずの改造住宅に人がいないのか」などなど・・・。私たちに必要なのは、彼の持つ、こういった王様を裸だと見抜いた子供のような素朴な目ではないか。
私たちの多くは「同和は怖い」などの先入観で見て、問題の多くをタブー視し、まるで人の目に隠された特別なもののように考え、普通の感覚でどこがおかしいのかをみたままに表現するのを怠ってきたのかもしれない。だからこそ、著者の活動は、多くの不利に見舞われながらも、賛同を得ることができたのだろう。同和問題の根本を、同和側の責任というより、行政の責任だと見抜いたことも慧眼である。
著者の若さと勇気とともに、そのまっすぐさを高く評価する。彼のような政治家がもっと増えれば、日本ももっと良くなっていくはずだ。まだまだやるべきことが山積みだろうが、着実にことが進むように祈念するばかりだ。
ひとつだけあえて難点を言えば、本書ではまるで著者の活動だけがすべてのように感じてしまうことだ。そこには多くの勇気ある協力者、助言者がいたはずだが、その存在を感じることができなかった。ひとりで何事かをなすことは難しい。自分が何をしたかという主張は政治家として大切なことはわかるが、それを支えてくれた人にたいする広い目もあったらもっと良かった(いらぬ迷惑をかけたくないという配慮もあったとは想像するが)。
|