もちろん最後は試合シーンでアドレナリン全開にしてくれることのわかっているロッキーシリーズの作品だからこそだと思うが、(僕自身のトシのせいか)この『ロッキー・ザ・ファイナル』には、静かな導入部や、ロッキーのプロライセンス再取得へむかっていく物語の部分にいくつもの味わい深いシーンがあった。
泣かされたのは、チャプター6や7のロッキー達のちょっとしたやりとりだ。
自分にからんできたヤンキー達を、おまえ達どうしてそうなんだ?という訝しげな表情で見つめつつ、放っておいたロッキー、
けれど、その同じヤンキー達がリトル・マリーを傷つける言葉を吐いたときは黙っていない。
ヤンキー達をとっちめてクルマに戻ってきたロッキーが笑顔でリトル・マリーに言う、「あの男、君に謝ったよ」・・・ なんて、優しい人間だ(涙)
チャンピオンのディクソンも、試合シーン以外はあまり画面に出てこないし、人物としての存在感はシリーズの他のボクサー達(特に、カール・ウェザースの演じたアポロ・クリード)と比べれば弱めだが、ちょっとしたやりとりで、ひとりの悩める人間としての奥行きを見せている。
チャンピオンになってエージェントや取り巻きがつくようになっても全く幸せそうな顔をしていないディクソン、
かつてのトレーナーに会いたくなって古巣のジムへやってくる。
人間的な成長はこれからというディクソンの隣に腰かけてその元トレーナー(マーティン)のする話は、いかにも!な話なのだが、しかしその話を聞いて初めて笑顔を見せるディクソンがいい(涙)
その他、あらゆるやりとりが、情け容赦なく、トシのせいでゆるくなったこっちの涙腺を直撃してくる。
けれど、他の役者達がこの脚本で演じてこれどころでないクサさになってしまう可能性はある。そんな場合を勝手に想像してから改めてここでのスタローンや他の役者さん達の芝居をみていると、やっぱり押さえるところは押さえていて、抑えが効いていると思う。そしてこの現実離れした物語の主人公であるロッキーと、リアルに老いていくポーリー(バート・ヤング)やスパイダー達が、フィラデルフィアの街を背景に画面・物語のなかで不思議に共存している。
エイドリアン(タリア・シャイア)はロッキーの回想の中にだけ登場。けれど、そのことによってある意味、この物語全編にエイドリアンが存在している。
エイドリアンに先立たれて元気のなかったロッキーが、リトル・マリーと話したり散歩したりして楽しくしているのは、いいじゃないか。
亡くなった誰かのを代わりを、生きている人間が出来るわけじゃない。けれど、人はこうしてなんとか生きていくんだから。
そしてこの映画の本当の主人公は、このフィラデルフィアという街、そしてアメリカという国なのかもしれない。
これは大人のおとぎ話かもしれない。けれど時々、アメリアを馬鹿にして話を片付けてしまうよりも、自分自身が走り出さなきゃと思うのは、こういう映画を観たときだ。いつかこの世を去るとき、思い通りにならなかったことを人のせいにして腹を立てながら逝くよりも、誰かにありがとう、と言って逝けるほうがいい。それはアメリカだろうが日本だろうが同じじゃないか。
日本語吹き替えのロッキー役 羽佐間道夫さんも 77歳になられ ご高齢の方ながら 凄いと思います。ロッキーは永遠に不滅です!。
作品は劇場で観ました。さすがに皮膚のハリなどは歳を感じさせますが、あの歳であれだけの体をつくったのはさすがといったところ。ストーリーも何か燻っている人が観たら、「俺もやってやんぞ!」ってなると思います。 不安なのはこの商品の仕様。どうもFOX作品のブルーレイは画質など評判がよろしくない。自分も「ナイトミュージアム」のブルーレイでイタイ目をみました。 FOXには「エイリアン」「スターウォーズ」シリーズなど、ブルーレイの高画質で観てみたい作品も多いので、画質や音声、特典映像、トップメニューなど気合いいれた仕様での発売をしていただきたいです。
序盤は過去を懐かしみ暮らすロッキーの姿が何とも惨めで、ファンとして複雑な気持ちになったが、リングに再び上がる決意をしてからのロッキーは往年の輝きを取り戻し、年齢というハンディキャップを見事に覆している。
特に、現役のヘビー級チャンプとの試合を決断し、息子に試合を止められ、説得する場面は愛する息子との心の絆も巧く描いており、感動的。
人間はいくつになっても心の中の小さな炎(年齢を気にして諦めていること等)に対して自分を誤魔化すことなく、挑戦し続ける強い姿勢が大事であるということを教えられた。
ファンでなくても強くお薦めできる。
ロッキー映画のベスト盤だと思います!!燃えるアルバムです(^-^)v
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