カナンが龍になったりラムカが死にかけたりした前巻から平穏無事に続くわけはないと思ってたんですが。 カナンの力の不安定さと、カナンがやっぱり冷たく見れないサニンとの差にやけくそっぽくなってるラムカが危ういです。 闇を選んだサニンはともかく、光でも闇でもない「カナン」という存在がどういう風に動いていくのか、多分次巻がターニングポイントかな……。 山口先生のファンタジーはどっちか言うと優しくてここまで厳しいのはなかったので、色々痛いですが、サニンの作っている「毒」を今の世界に当てはめたりすれば、結構来るものがあります。サニンは闇ではあっても、彼自身が悪いわけではないので。 でも、最後には、満身創痍でも、毒を消してしまって欲しい。 そう願います。
悪役すらも憎めないキャラクターで、作者の人間への愛情があふれた心あたたまる秀作。おすすめ。 文庫版には作者によるあとがきがあり、「今の絵柄で描くとキャラクターはこうなる」という、ファンから見れば嬉しいおまけイラストが付いている。
※ネタバレありでお願いします。
最終巻です。
どうやって纏めるのかな〜と気になってはおりましたけれども。
まあ、概ね思った通りかな、と。
多少は予想外な展開もありましたけれどもね。
取り敢えずは、完全無欠のハッピーエンドとはいかなかったようです。
まあ、この辺は、少女漫画とはいっても、はなゆめ本誌よりも大人向けな雑誌で展開されていたお話なので、構わないとは思うのですけれども。
ただ、巻数が多めだった事を考慮すると、あーよかった、満足満足、というようなスッキリ爽快な読了感はどうしても望めない感じになっておりますけれどもね。
その代わり、現代にも通じる訓辞と言いますか、警告といいますか、そんなものを秘めた感じに終わっております。
取り敢えず、サニンは死なないことにはこの物語は終わらないよなあ、とは思っていたので、そこら辺は思ったとおりでしたけれども。
ただ、一つ難を付けるのであれば、雑誌掲載後のエピローグ的なものも少し読んでみたかったかなあ、と思います。
まあ、そこら辺は、皆さまそれぞれの心の中で、という事なのでしょうけれども。
フィーメンニンは謳う が文庫化されてから4年近く掛ってタッジー・マッジーも文庫化されました。
山口さんの語るおとぎ話は、単におとぎばなしを現代風にアレンジしたmのではなく、山口美由紀ワールドと言うべき世界が構築されていて、その世界の登場人物に注がれるまなざしがどこまでもやさしく、暖かいものです。
残念ながら、山口さんの作品は廃刊になってしまった物が多いのですが、これを機会にまた文庫化して欲しい、そう願います。
「現実は甘くない、でも人を思う気持ちは・・・永遠」 踊り場ホテルを訪れる人々の物語を走馬灯のようにくるくると語っていくマンガ。 山口さんのマンガは切ないファンタジーが溢れている。 この物語は、決してシアワセとは言えなかった人々の迷い込む時の無いホテル(踊り場ホテル)を舞台に淡々と、でも力強く語られていく。読み終えたとき、涙がこぼれたけれどふわっと心地良い読後感が残った。 またこんな浪漫溢れるファンタジーを描いて欲しい。
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