問答無用の大名盤(LP1981年リリース、1999年リマスター)。当時の音楽としては、世界レベルで最先端に立った、日本初のクラシックといえる作品。
語り尽くされた名盤なので、ここでは素人耳で聴いたリマスター後の特徴を以下にレビューします。
・全般的にリズム系の音が太くなった
・"Happy End" のくぐもった音が立体的になった
・"1000 Knives" が、インダストリアルのような迫力になった
・"Loom" の水滴のような音がしっかり聴こえる
リマスター効果抜群! おすすめです。
余談ですが、時代背景から考えると、この作品が81年にリリースされたのは奇跡だと思います。「歌年鑑'81」という81年のヒット曲を集めたCDがありますが、そこに収録されている曲は "ルビーの指輪" "ギンギラギンにさりげなく" "大阪しぐれ"(イモ欽も・笑)…歌謡曲と、ニューミュージック(シティーポップ?)が中心という状況です。個人的にはアジア感も結構残っている年だったと思います。そんな年に出た、抽象的で暗く、世界でも最先端の「BGM」と「Technodelic」…1位を取れなかったとはいえ、「BGM」2位、「Technodelic」4位と、内容からすると意外とヒットしています。1981年は不思議な年だと思います。
音楽を聴き始めて10年くらい経ちますけど、 ここ最近「うおぉぉぉぉ!!こいつはやばい!」 とおもうほどの衝撃を味わった事がなかったんですね。 なんていうか、倦怠期みたいな感じでした。 近くのレンタルビデオ屋に友達といったときの事。 そこにはポピュラーなアーティストのビデオがいっぱいならんでる コーナーがあって、そこで「YMO伝説」っていうビデオを発見して、 「そういえばちゃんと聞いたことなかったな、 ライディーンさえちゃんと聞いてないなぁ、ちょっと観てみるか」 これがすべての始まりでした。 それにどっぷりはまってしまった私は この作品を聞いてみました。 「!!!」 TECHNOPOLISの第一声、「TOKIO」というフレーズが始まった瞬間 虜になっていたのかもしれません、 「なんだ、いままでに聞いたことのないこの新鮮さは!」 まさにTECHNOPOLISという題名にぴったりの曲展開、 他にもBEHIND THE MASKや、ABSOLUTE EGO DANCE、SOLID STATE SURVIVOR・・・などなど捨て曲なんて一切ないのです。 一気にあの長く続いた倦怠期を吹き飛ばしてくれたのです。 時を越えて彼らの作品に出会えた事を心から感謝すると共に、 生まれてきてよかったなぁ、と素直に感じさせてくれました。 ジャンル、古さなんか気にしないで、是非聞いていただきたいと思います。是非!!
素晴らしい!何と言っても、シンセの不安定さがイイ!シーケンサーのほとんど使用されていない近代的に見えて、超アナログな所もイイ!おすすめです!! また、79年のGreek Theaterから83年の散開Liveまでの機械的な進歩はめざましく、感動しながら別の意味で関心してしまいました。 ちなみに最後のTechnopolisは尻切れトンボではなく、確か次曲Rydeenとの繋ぎ部分で終わってるだけです。
YMO世代の自分だが、YMOをきちんと聴いたのは散開してずいぶんたってからだ。YMOがまだ活動していた当時は坂本龍一氏とその周辺の人々の曲を夢中になって聴いていた。だから、YMOに何があったのか、どのくらいアルバムを出していたのか、当時メンバーがどんな葛藤を感じていたのかを知ったのは、のちに出た書籍によってだった。読み応え十分の本だと思う。
1曲目、PURE JAMが始まると、これはビートルズか?と一瞬おもうやいなや、リズムはクラフトワークになって、あれよあれよという間に時間が過ぎます。
2曲目、NEUE TANZが始まると、ノイズとノイズの間から音が聞こえてきます。その音を探しているうちにリズムがぐいぐい進行していきます。
3曲目、幸宏氏の素晴らしいスネアの音が腹に響き、やっと慣れ親しんだ幸宏ボイスで安心。と、心を許した瞬間に坂本氏の、今まで聴いたことないほど美しいピアノが入ってきます。本当に美しい曲。
4曲目、坂本氏のポリリズムが炸裂。これもまた美しい。3曲目で片鱗をみせていた細野氏のベースがここでうなりをあげます。ファンクです。でもメロディーはペンタトニックです。極東なのです。
5曲目、いまだにどこがリズムの表で、どこが裏なのか判別がついていません。初めて聴いたときから27年と半年あまり、いまだに解明できていない曲。でもこれもまた美しい。坂本氏のプロフェット5がうなります。
6曲目、これに似た名曲がどこにもないんです。この曲が名曲すぎるからでしょうか?
7曲目、細野氏の乾坤一擲。もりあがらなさそうな導入部からひきずってひきずって、さびでのメロディーの上がり方がすごい。きっとライブで聴いたら鳥肌が立つと思う。
8曲目、BGMにも通じる、イングランドの当時のヒットチューンをもじったポップな音。でも皆がいうほど浮いてないし。たまたまこのときに細野さんと幸宏氏が着想しちゃったってっだけな話ですがな。
9曲目〜10曲目、ここぞテクノポップの金字塔。サンプリング音の心地よさ。工場の音に、どうしても引かれる俺たち東京人のせつなさ。そんな機械的な魅力と人間臭さをこれでもかと出してくる2曲。坂本氏のこのアルバムにかけるパッションを垣間見て、アルバムが終了。
と、まったく捨て曲なし。一家に一枚よ。世界初のサンプリングアルバム。そんなことはどうでもいい。1981年に東京でこの作品が生まれたことは奇跡に近いと思う。
そんな時代を共有できる俺たちってサイコーに幸せだ、と言いたい。
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