もう、一気に 白黒テレビの画面が頭に浮かびます。あの幼き頃に どういう状態で どんな夕食を食べながら 見ていたアニメだったのかまで思い出せるCDです。 その上 自分でも不思議なほど 歌詞を覚えていたのにもびっくりしてしまった。 夫婦喧嘩中の夫とも このCDを二人で車の中で聞いた途端 ウソのように仲直りしてしまった・・・。 倦怠期を迎えている夫婦には必聞です。
同時期にビクターから出た初CD化曲満載の「ヤマタケ・フォーエバー」に較べると普通のベスト盤です。音や選曲に定評のあるテイチク・クロニクルシリーズにしては無難な選曲で、既に「早すぎた奇才・山下毅雄の全貌」シリーズで聞けるものばかり。初心者向けと言っていいでしょう。しかし見過ごしてはいけません、実は貴重な音源も数曲入っているのです! 「ジャイアントロボ」2番抜きショート・バージョン、「怪盗ラレロ」のセリフ入り別バージョン、「時間ですよ〜東京下町あたり」等は多分、初CD化。それになんといっても「佐武と市捕物控」がテイチク・レコーディング・オーケストラによる別バージョンで、全盛期のヤマタケの口笛に伊集加代子の艶っぽいスキャットがばっちりからむ素晴らしい出来! マニアの方はこれ1曲だけでも買う価値あり、と言っておきましょう。
子どもの頃夢中で見ていたアニメでした。今見るとストーリィ展開においおいと思う部分もありますがなにしろ製作は37年も前。許せます。
アニメ技術もまだまだ開発段階の頃、その意味でもこの作品を見るのは貴重ではないでしょうか。
今見ると背景の建物が東京国立博物館や東京都庭園美術館、勝鬨橋など実在の建物を参考に描かれていたということが良く解ります。子供向けアニメとはいえリアリティを目指していたのですね。
当時子供心にも小林少年より、ハンサムな明智探偵、怪盗二十面相にあこがれましたが、数十年ぶりに見て二十面相の若山弦蔵さん(ショーン・コネリーの吹き替えでも有名)の渋い声に惚れ直しました。二十面相のダンディぶりは今見てもかっこいいです。
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