この「キネマ旬報2008年11/15号」の冒頭特集が俳優堺雅人について本人のロングインタビューや俳優堺雅人のこれまでの映画中心のお仕事を振り返ったり堺雅人とこれまで一緒に仕事をした監督さん達から見た俳優堺雅人に関する考えや「ジャージの二人」の原作者
長嶋有さんとの同年代対談などが掲載されています。特に堺雅人本人が語るロングインタビューはあまり他の映画雑誌などでも語られない内容だと思うので貴重だと思います。この号は「新選組!」や「篤姫」の大河ドラマやTVドラマ「ヒミツの花園」や「孤独の賭け」、「官僚たちの夏」だけではない俳優堺雅人を知ることが出来る一冊だと思います。
世の中すべてをゲーム目線で語る作者に親近感を覚えます。
随所にウィットにとんだ笑いがあり、げらげら笑って読みました。
ファミコン世代必携のエンタメ本ではないでしょうか。
朝日新聞夕刊連載時からすごくおもしろかった!というか、連載スリリングでした。だって大の大人が夏の別荘で「遊んでいる」だけで何も起こらないし、コモローと久呂子さんのカンケー(が何もないの)をわからないまま最初の何日かを読み、終わりのほうで、次の連載は藤野千夜という話題が新聞に出る頃、作品中では「フジノさん」から、連載やりますという電話がきて、コモローは「オレが新聞連載することがあったら、もう、サスペンスあり、大恋愛あり、次の日が待ち遠しくてたまらない感動巨編を書くね」と言うし(次の日が待ち遠しかったのは事実)、「オーエ賞」受賞を期待するコモローが子供っぽいことを言い散らかすあたりは、読んでてどきどきしてしまった。「ちょっと、コモロー、オーエさん朝日読んでるよ!」って、久呂子さんの代わりに呟きつつ読んだりして。 連載終了時の作者のコラムによると、パソコンのコピー&ペーストで同文反復をしてみた、と言うんだけど、わからなかった!今回読み返してもわからなかった!どこよ?「内面」を隠蔽した「私小説」だとも。ちなみに高野文子の挿絵ではコモローは作者似で、久呂子さんは黒子でした。コモローにしろおじさんにしろ、普段から互いに会っている人物たちなのに、夏の別荘だけにカメラを据えている不思議な小説構造は、コモローのブログ「ムシバム」の写真が、虫の意味を抜き取って「本当はこの家を撮っている」のと同じことなんだ!とふいに気づく。久呂子さんが、鴨居に並ぶ電球のすき間の意味をふいに知るように。 ちなみに我が家の「顔」(作中の、恋人のキャラをつくる遊び)で生まれた甥(16才)の恋人「35才メタボでアフロな左門豊作メガネのアニメ声のヲタクウェイトレス」「伊集院ワカメ」は永遠です。
有りそうで無さそう、また無さそうで以外に有るかも的な展開につい引き込まれてしまいました。読書が苦手でもスルッと読めてしまう、そんな1冊です。
ひと味違う季刊の文芸誌。ナンバー15ということだが、創刊以来、欠かさず購入している。毎回、特集に工夫を凝らしているのが特長だけど、今回は、物語とデザイン。サブタイトルは「創作・明日の絵本」。
もともとデザインにはこだわりのあるこの雑誌だけど、今回は特にそう。絵本(というか絵のある物語)がいくつか収録されているが、その中でももっとも良かったのが、祖父江慎の「ピノッキオ」。知らない人はいない「ピノッキオ」だけど、今回収録されている物語は、最初に書かれたものだそうで、私が知っている人情味あふれるストーリーとは違うとてもブラックなピノッキオ。まさに大人の絵本。絵もそんなブラックなピノッキオにふさわしい。
そのほかでは、長島有里枝と内田也哉子の「子供の絵本、私の絵本」が良かった。子供にも大人にも読ませたい絵本の数々を写真と対談で紹介している。
次号はリニューアルに向けて休刊ということだが、リニューアル後も期待したい。
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