待望の新シリーズですね。
昭和初期の時代設定といい、優しげな作風といい、やっぱり好きですね。
ミステリといっても、残虐な殺人が起こるわけでもないし、複雑なトリックが絡んでるわけでもありません(といっても、トリックが単純だという事ではありません)。
でも、面白いんですよね。
ミステリという非日常的分野を、日常の生活の中に組み込むって言うんでしょうか。そのへんが、面白いところだと思います。
勘違いなされてる方がいらっしゃいますが、これはシリーズものなので、「引き」があるのは当たり前です。
それを解かった上で、読むのが良いんじゃないかな、と思います。
中居さんへのインタビューで、こういうような感じのお話がありました。 【僕がサヴァン症候群であるアタルを演じたことで、その方々が良くない印象や偏見を持たれないようにしたい。そのためにはアタルの周囲のキャラクターを個性的にすることで、サヴァンを特別じゃなくあるひとつの個性として視聴者の方に感じてもらいたかった。】 ドラマを見始めた頃、アタル以外の人物が多少ごちゃついてるなぁと感じていたのですが、その理由が何だか分かったような気がして興味深かったです。 中居さんの想いが、きちんと反映されていたんですね。 私の子供の頃からテレビで大活躍を続けている中居さんですが、改めて彼を観ると、素敵な顔立ちやかわいい表情をされているのが沢山味わえます。 栗山千明さんや北村一輝さんの、幾分大げさチックなコメディ演技が、中居さん演じるアタルにある意味振り回されている様も楽しかったです。 なんらかの形でいつか続編も期待したい、毎週日曜夜に楽しみにしていた、そんな素敵なかわいいドラマでした。
だからもったいないなあって感じました。 二人称というあまりない視点で語られるのですが、なんだか読みにくいんですよね。 でも電話がかかっきたあたりから三人称になり、一人称になるラストまでは一直線。 最後はたいていの人が予想したでしょうけど、やはり良かったですね。 ただいまって言葉が。
「私と円紫さん」シリーズや「スキップ」「ターン」「リセット」などの人気作で知られる著者のエッセイ集です。 冒頭から3分の2にあたる250頁までは、1970年代から今日までの、著者自身の読書歴にまつわる文章が集められています。他の作家の作品に関する解説などが大半なので、対象となっている書を手にしたことがないと、その面白さは味わえないかもしれません。 残りは「自作の周辺」と「日常の謎 愛しいもの」について筆を進めた文章が並んでいます。こちらのほうは、著者のあの柔らかく、温もりのある日本語によって、肩に力の入らないささやかな日常が切り出されていて、そのやさしい筆致にひたる喜びを味わえます。
デビュー当時は覆面作家であったのは、作家として変わらぬペースで作品を出し続ける自信がなかったため、「縛られようのない透き通った人」になればという勧めに応じたからだとあります。著者が覆面作家のまま、やがて寡作のまま消えることがなかったのは、私たち読者にとって大変喜ばしいことでした。
ところで「私と円紫さん」シリーズは、2004年に出された「別冊宝島『北村薫CompleteBook』)」 (別冊宝島 (1023)にあったようにやはり続編は現れないのでしょう。残念でなりません。
最後に心に深く沁み入った言葉を引き写しておきます。 「作品は楽譜に当たるもので、それを演奏するのが読者である。読書は決して受身の作業ではない。百人の読者がいれば、そこには百の作品が生まれる。人に読んでもらうのではない。名曲を弾くように、我々は名作を読むのだ。そこにこそ読書の醍醐味がある。」(298頁)
コンプリイト、プリーズ フリーズが入っています。
コンプリイトについては言わずもがな、プリーズ フリーズもとても聞きがいがあります。
とくに大河の声が可愛い!!
買って損はないです!
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