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人生観 日本人の人生観 (講談社学術文庫)

この本は何処かで書いた短編モノを4つほど集めて作られた短編文集である。表題「日本人の人生観」はその中の一つでしかない。特に、最後に綴られた章はタイトルとは余り関係のない内容。 総評すると「日本人の考え方」というのをギュッと凝縮した本であり、お手軽に日本人の感性の把握に繋げられる良書だ。日本人が持つ未来観、歴史観、宗教観などがコンパクトに説明されており、対欧米比で思考の違いを明らかにしてくれる。その内容で150ページそこらの文章量だから見事という他ない。特に日本人が持つ未来観に関しては必読だろう。欧米のそれとは全く異なる思考回路によって日本人は戦中、「大局観のない国家運営」「終決論なき戦争」をしたのだと、色々と考えさせられる内容である。 山本七平の本全般に言える事だが、本書が出版されたのが昭和だというのが信じられないくらい、2013年の日本の現状を的確に説明している。本書もまたその類の一冊だ。 日本人の人生観 (講談社学術文庫) 関連情報