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悲痛 悲痛伝 伝説 (講談社ノベルス)

悲鳴伝の続編である今作悲痛伝は、空々くんのその後を描いた作品です。悲鳴伝との大きな違いはまずこの作品がすでに続編ありきの作品となっていることです。悲鳴伝はちりばめられた伏線も見事回収してラストシーンに向かって行っていましたが、悲痛伝は伏線回収はあったもののまだ伏線はかなり多く残されています。☆を4つとさせていただいた理由としては上で述べたとおり消化不良の感が否めないということもありますが、あと2つほど理由があります。まず1つ目は四国で何が起きているのかを調査するという当初の目的が薄れ、行き当たりばったりの展開となってしまっているところです。たしかに、作中で出てくる魔法少女たちとの出会いから「魔法少女」を掘り下げなければならないかもしれませんが、その掘り下げが冗長に感じてしまいました。2つ目は、「○○という空々の行動が後に○○の影響を及ぼすことになる」のような表現で先の展開を知らされてしまうような表現が多く目立ちました。ただ、このような表現は一般的な小説でも見受けられることではあるのでそこまで気にしないのですが今作においてはこの表現を使いすぎだと思いました。それに加え会話の途中でいちいちその心情を事細かく描写するのもくどく感じます。今作の悲痛伝とは関係ありませんが、西尾氏の憑物語でも引き伸ばしの文体が目につきます。西尾氏の特徴と言えばそれまでですが、「最近」の西尾氏の作品は引き伸ばしの文体が多い感じがします。今後の作品ではこのような引き伸ばしがなくとも、重厚な内容の作品を期待したいです 悲痛伝 伝説 (講談社ノベルス) 関連情報




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