【参院選2016】民進党・野田佳彦最高顧問(愛知県・伊藤たかえ応援) 2016年6月23日 [関連URL] 民進党公式ウェブ ...
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第95代内閣総理大臣に就任した野田氏が2009年に出した著作。衆議院議員選挙であれだけ多くの議席を獲得しながら国民に失望を与え続けてきた民主党の実績を考えると、非自民が与党になる意義を説明したこの本の骨子となる主張には、今さらながら白けてしまう。その点でこの本の賞味期限は既に切れている。ただ、野田氏のバックグラウンドはある程度わかる。中国訪問時に自ら切り出して唐家センとやりあった点は印象に残った。外交の舞台において、言うべきことは言う、そういう当たり前のことができない指導者達によって、今まで日本はどれほど国益を損ない、国民は苦渋を強いられてきたことだろう。首相になってもこういう姿勢を貫いてくれることを、強く期待したい。小沢一郎らが唱える「国連中心外交」についての疑問を呈しているところもある。著者が世襲議員ではなく裕福ともいえない自衛官の家庭に育ったことにも注目したい。学校の先生に今よりずっと左寄りの思想を持つ者が多かった時代を示すエピソードも出てくる。職業欄に「自衛官」ではなく「国家公務員」と書かなければならなかった母親共々、少々肩身の狭い思いをしたこともあったようだ。当然、国防についての意識を述べてるところもある。民主党には自衛隊を「暴力装置」呼ばわりする政治家もいる。そのように不見識な政治家達の国政への発言力をどこまで抑え込んで、迷走を続けてきたこの政権党の政策路線を軌道修正できるか今後の手腕を見たいと思う。もうひとつ印象的だったのは、たとえ主張の内容が正しくても、その人の立場にそぐわない言動については厳しい視線を向けていることだ。おそらくこの著者と基本的な考え方では大きくズレているわけではないであろう太田弘子議員や田母神氏の評にそれが良く現れている。軽率な言動で揚げ足を取られ、国政を混乱させてきた一人にならないように、改めて自戒をして欲しいと思う。自民・民主かかわらず、小泉政権以降の政局の混乱と政権を担った内閣の弱さが、日本の凋落の一因になってきたことは間違いない。問題は山積し、さらに深刻さを増している。正直、民主党にはうんざりという気持ちは強くあるが、次の総選挙まではこの党が引き続き政権党であり続ける以上は当面その中で修正が行われることを期待するしかない面がある。まずは新総理になった著者のお手並みを拝見したい。 民主の敵―政権交代に大義あり (新潮新書) 関連情報
大下氏が書かれてきた政治者の中ではよく深掘りされていると思います。 したたかな「どじょう」野田佳彦研究 関連情報