【ap bank fes '08】

名もなきアフリカの地で

映画の方は、「倦怠期を迎えた夫婦の危機を描いたメロドラマ」と見てしまって、映画としては佳作なんだけど、アフリカの風景とオウアの笑顔、レギーナ（子役）のキュートさの他にはあまり印象に残るものが無かった。原作も夫婦の心のすれ違いがテーマのメインの1つではあるが、原因となる夫婦の思考法や人生観の違い、それを際立たせる戦争という特殊な条件における心理的葛藤が丁寧に描かれているので、映画より説得力があります。アフリカ人と欧羅巴人の精神的な違いや、戦争が主人公一家に及ぼした影響も映画よりずっと分かりやすく書かれているし、アフリカの風景描写も映画に負けないくらい素敵です。なにより、ウィットに富んだ文章が気に入ってます。 名もなきアフリカの地で 関連情報

名もなきアフリカの地で【日本語吹替版】 [VHS]

レギーナの持つ子供としての強さ、順応性それを育む力強い大地。大人の悩みや苦悩なんてそっちのけ。子供らしいじゃない。そして徐々に広い視野で受け入れていく両親。子供は子供らしく、そして大人はより大人に。文明に翻弄され、大人になりきれない大人達に囲まれた日本の子供達から失われていく何かを感じる。「迫害」というのがこの映画のテーマの１つにあるが、そんなものよりもっと人間の根源的な部分が見事に描かれていると思う。オウアとレギーナが一緒にいるシーンは微笑ましく、オウアとの別れには涙！！いつの時代も人間であることは変わらないのだと感じる。名作です。 名もなきアフリカの地で【日本語吹替版】 [VHS] 関連情報