【森永卓郎】インサイトコラム 2016年6月27日森永卓郎から財政再建終了のお知らせｗインサイト

How Customers Think: Essential Insights into the Mind of the Market

なかなか凄いマーケティング専門書であり、良かれ悪しかれ期待を裏切り、知的好奇心を喚起する一冊。マーケティング本というよりも、心理学や大脳生理学・精神医学の入門書のような趣さえある。大体からして、書籍カバーが騙し絵になっているという懲り様。消費者の認知に焦点を当てているのだけれど、認知心理学や大脳生理学の知見にもとづき・応用し、「メタファー」を起点として、消費者の「無意識」を掘り起こし・働きかけるという考え方は、自然であると同時に新鮮。組織行動を表した「ＥＱ」が大脳生理にもとづいてしたためられたのと同様、組織行動や戦略論、意思決定論、そしてマーケティングなど多くの理論領域がポストモダンに移りつつある中で、大脳生理学の進展がもたらす可能性を改めて示した一冊と言えるのではないでしょうか。 How Customers Think: Essential Insights into the Mind of the Market 関連情報

「GATCHAMAN CROWDS insight」Vol.4 Blu-ray

『ガッチャマンＣＲＯＷＤＳ』の続編「in sight」の本放送が終わった。ニッポン人は『サザエさん』ではなく『ガッチャマンＣＲＯＷＤＳ』を観るべきだ、と断言していいぐらいの素晴らしい作品だった。それを恐れずにここに宣言したい。前作の廉価版ソフトのレビューで「２２世紀に残したいアニメ遺産」だと書いた後、正直やや大袈裟な表現だったかな・・・と思わなかった訳でもない（笑）。前作は、インターネットやＳＮＳが発達した社会を前提に、一人ひとりの市民がどうあるべきか、というテーマを提示した物語だったので、数十年後、社会の仕組みが激変していたら、そのまま通用するテーマとは言い切れないからだ。しかし、続編である今回の「in sight」篇は、人間が存在する限り、そこに集団や社会があるかぎり永遠普遍の問題、「集団ヒステリー」の根源に切り込んだ、これこそ「世紀を超えて語り継がれて行くべき」傑作だった。ひょっとしたら、続編が第１作を超えてしまった、とてつもない怪物アニメなのかもしれない。いや、そもそもこのアニメの素晴らしいところは、そんな肩の張る大仰なシロモノではない・・・なのに大傑作なのだ。う～ん、もうどう表現したらいいか分らない（爆）！しかし、こんなに素晴らしい番組を、日テレはなぜ地上波では関東ローカルでしか放送しなかったのか、甚だ疑問だ・・・。この作品って、他のヒットしたアニメに比べて、残念なことに知名度が低いのだ。普通、セカンドシーズンの放送が始まるとレンタル店ではファーストシーズンが軒並みレンタル中になるものだが、本作はゼンゼン借りられている気配がない・・・アマゾンに投稿されているレビューはみな熱い内容だが、やはり他の人気アニメと比べると、投稿数は決して多いとはいえない。もっと多くの人に観られるべきアニメが、その質の高さに見合う知名度を獲得していないのは、ひとえに放送局の怠慢だと叱責させて頂く。だからソフトでは、より多くの方に観てもらいたい。そんな思いを込めて、この長文レビューをしたためたいと思う。筆者は、レビューとは基本的に、この作品をまだ知らない人たちに向けて書くものだと考えているので、やや頭でっかちになってしまうが、この作品の基本設定を簡単に説明したい。本作は、昭和の頃の『科学忍者隊ガッチャマン』のリメイクでありながら、オリジナルの片鱗をほとんど残さない全く別ものの作品で、正義のヒーローが悪者をやっつけるというお話ではない。これは「ＣＲＯＷＤＳ＝群集」、つまり社会を形成する我々自身の問題に切り込んでいく物語である。ガッチャマンは、宇宙から地球にやってくるエイリアンに対処するための特殊部隊だが、この作品に登場する宇宙人というのは、単なる地球外生命体とかではなく、人間社会の一種の暗喩なのである。前作の悪役であったベルク・カッツェは、今のネット社会で云うところの「炎上屋」的な存在で、「自らは手を下さず」に「人々の負の感情を煽り立てて」争いを起こして嬉々とする。つまりこの作品は、「エイリアンは侵略者、だから侵略者をやっつけろ」ではなく、どこまでも「我々人間の問題」を描いているのである。そして、ガッチャマンとは別に、「総裁Ｘ」という人工知能が司るＳＮＳ「ＧＡＬＡＸ」を使って、一般市民の力で社会を改善しようと考える天才プログラマー青年・爾乃美家累（にのみやるい）がいる。彼は、ヒーローがいると民衆はその存在に頼ってしまうから人々の意識は高まらない、だから「ヒーローはいらない。世界をアップデートするのは僕らだ」と考える。しかし、彼もなぜかガッチャマンと同じ能力を有している。彼はその能力で、人間の意識を実体化した、巨大な目玉オヤジのようなヒューマノイド「ＣＲＯＷＤＳ」を「ＧＡＬＡＸ」のユーザーに与え、ＣＲＯＷＤＳを使って事故や災害現場で一般人たちも救助活動ができるようなシステムを作り出す。そして、ポジティブシンキングで直感型、「何者も否定しない」型破りな主人公、一ノ瀬はじめがガッチャマンに加わる事で、保守的で活動が形骸化しかけていたガッチャマンたちの目が覚めていく。この、「はじめ（＆ガッチャマン）」「カッツェ」「累」の３者が火花を散らしながら、「ＣＲＯＷＤＳ＝群集」を巻き込み、「社会を変えていくのは政治家でもヒーローでもなく、一人ひとりの市民なのだ」というメッセージを、極めてポジティブに発信したのが前作だった。で、以下に述べる続編「in sight」に関しては、後半の展開にかなり触れる内容になっていて、人によってはネタバレ全開と感じるかもしれないので、未見の方はお気をつけ下さい。今回のセカンドシリーズでは、累もガッチャマンのメンバーに加わり、全ての市民が「ＣＲＯＷＤＳ」を利用できる社会になっている。そして新たな３人の主要登場人物が加わる。●三栖立つばさ（みすだちつばさ）：竹を割ったように一本気で正義感が強い、行動派の少女。新たなＧメンバーに選ばれる。●ゲルサドラ：極めて善良な宇宙人。地球を争いのない星にしたいと考える。●鈴木理詰夢（すずきりずむ）：自ら「過激な平和主義者」を名乗る、累以外のもう一人の「ＣＲＯＷＤＳ」能力者。「ＶＡＰＥ」という集団を率い「赤ＣＲＯＷＤＳ」を使い、テロを起こす。「無思考な大衆はサルでしかない」と見下す理詰夢は、市民に「ＣＲＯＷＤＳ」を自由に使えるようにした累を「浅はかな理想主義者」となじり、「ＣＲＯＷＤＳ」の危険性を訴えるためにテロを起こす。この事件によって、国民の中に「ＣＲＯＷＤＳ」に対する疑念が生まれる。一方、こうした争いが絶えない人間社会に心を痛めたゲルサドラは、「全ての人の心がひとつになるよう」行動を開始する。ゲルサドラの呼びかけによって、「ＣＲＯＷＤＳ」はあっと言う間に廃止されてしまう。人の心をひとつにしようとするゲルサドラに「本当にそれがいいんスかね？」と疑問を呈し、中立の立場をとり見守るはじめ。ゲルの考えに共鳴し、Ｇメンバーを辞めてまで一緒に突っ走ろうとするつばさ。社会は、一見すると良い方向に向かっているように見えたが、実は皆が「いいんじゃない？」とよくよく考えず、周囲の空気に流されているだけの無思考・無責任な社会へと向かっていたのだ。ゲルサドラが「ゲルルル～！」と唱えると、人々の頭上に漫画のフキダシのようなものが現れる。これは個々の感情を色や形で表現していて、ゲルはこの「フキダシさま」の色がひとつになるようにしたいと考える。そしてある時、この「フキダシさま」の中から、「くうさま」という奇妙な生き物が現れる。それはゲルサドラ自身も初めて見るものだった。どんな社会にも、周りの空気に流されず、集団に迎合せず独自の考えをもつ人間はいる（実ははじめもそうだ）。「くうさま」は、人々を助け、心に寄り添う一方で、集団におもねることなく、自分の考えを持とうとする人間たちを食べていってしまう。彼らは「空気を乱す」者たちを異端者として排除するのだ。ここに至り、ゲルを信じきっていたつばさの心に、ようやく疑念が湧き上がる。「自分は間違った事に・・・とんでもない事に協力してしまったのでは？」思い悩むつばさに、はじめは一旦里帰りする事を勧める。実家には、つばさにとって良きアドバイザーであるじいちゃんがいるからだ。ここまでは、筆者が第１巻のレビューに書いた事とほぼ同じである。前シリーズは、「大衆の善意を信じた」物語だったのだが、今シリーズはそれに対する再検証の意味も含まれ、とにかくポジティブなメッセージを発信し続けた前作に対し、今回はかなりブラックで皮肉の効いた問いを突きつけて来る。「あなたは、本当に自分で考えて物事を決めていますか？実は周りの空気に流されているだけじゃありませんか？」実はこれ、ほとんどの日本人に当てはまる問いかけなのである。特に企業の役職にいるタイプの人間やモーレツサラリーマンね（笑）。みんな偉そうな事を言うけれど、大概それは組織の大義名分や、社会の中でのステイタスを振りかざしているだけで、その個人の本当の本音ではなかったりするのだ。しかも当の本人は、自分が正しい事を言っていると「思い込んで」しまっている。集団の中での、本人すら気付いていない「無思考化」が本作のテーマなのである。そして、このシリーズでの「起承転結」の「転」にあたるエピソードが、この第４巻に収録された第１０話であり、様々な事が大きく動き出す。本当に面白くて、何度繰り返し観ても飽きない傑作エピソードだ。部下の機転で脱獄した理詰夢は、周りの空気に染まろうとしない者を食ってしまう「くうさま」の映像を全国に流す。これにより、市民の「空気」が１８０度変化する。「ゲルサドラって、邪魔な奴を消してるんでしょ、怖い」「独裁政治だ」「ゲルサドラ、ウザくね？」今まで熱烈に支持していたゲルを、大衆は一転して恐れ、罵り始める。そして・・・今まで、小さな集団の中での異端者を消していた「くうさま」が、今度はゲルサドラを排除しようと大挙し押し寄せる・・・実は「くうさま」は、無思考になった大衆自身が生み出した「空気」が実体化したものだったのだ。ここの展開は絶妙だ・・・！それを観て理詰夢はほくそ笑む。「愚かなサルどもが。お前達はそうやって延々と敵を探し続けて、周囲に流されるまま攻撃して、ただ憂さを晴らしてゆく。貴様らサルを動かしているのは正義なんかではない。異なる人間を見下し、自分はみんなと同じだと安心したい、そんな醜い劣等感にすぎない」もろ上から目線の過激発言だが、この理詰夢の言葉には確かに一理ある、と言わざるを得ない。一方、意気消沈して実家に戻ったつばさに、じいちゃんが語りかける。「昔、この国で似たようなことがあった。それは戦争だ。国のために立ち上がれ、敵を殺せ。みんなその空気に流されて、憎くもない相手と無我夢中で戦って、気付けば取り返しがつかなくなっていた・・・」はじめの中に封印されているベルク・カッツェは高笑いする。「空気ってねぇ、と～っても怖いんだよォ～、悪意なしでも平気で人を傷つけられるんだよォ～、それはね、みんな正しい事をしていると思い込んでいるからだよォ～ｗｗｗ」日本の国民が、今や自分を嫌っていると気付いたゲルは、事もなげに「じゃあ、僕がいなくなればいいんだね」とつぶやく。そんなゲルに、はじめは問いかける。「ゲルちゃん自身は、どうしたいんスか？」そう、「みんなのために」と言い続けて活動してきたゲルサドラの「みんな」という言葉には、実は彼自身の本当の意思が介在していなかったのだ。「僕は、僕は・・・」果たしてゲルサドラは、どんな答えを出すのか？一方、「くうさま」が与えてくれる「安心感」に、すっかり腑抜けにされてしまった累。その累を、理詰夢があざ笑う。「判っただろう、累。愚かなサルどもに力など与えてはならない。くうさまも、ＣＲＯＷＤＳもな」しかし、そのセリフに反論したのは、ＡＩの「総裁Ｘ」だった。「くうさまを動かすのは無意識。でもＣＲＯＷＤＳを動かすのは、意志です。それを私に教えてくれたのは他でもない貴方ですよ、累・・・」総裁Ｘ・・・お前、コンピューターのくせにいいこと言うじゃねえか（涙）。腑抜けになっていた累が、自責の念に落ち込んでいたつばさが、そしてガッチャマンたちが今ふたたび立ち上がる。「この空気を、くうさまを殲滅する！」・・・だが、それは容易なことではなかった。なぜなら日本中にあふれている「空気」なのだから。倒しても倒しても、「くうさま」は次々と湧いて出てくる。「空気」を変えない限り、この戦いは終わらない。「これは今までで一番手ごわい敵ッス。倒せないかもしれないッス」とはじめは言う。「でも、気付かせることはできるッス」敵は我々自身なのだ。我々が作ってしまった空気なのだ。果たして、はじめが提案した奇策とは？この奇策によって、大衆はあるものを見る事になる。そして、それにより彼ら彼女らははじめて「空気に流される」ことなく、「一人一人が自分で考え、答えを出す」ことになるのである。ここが、今シリーズの重要なポイントなのだ。ここで、はじめが前作で否定しなかった「悪」のカッツェの存在が、重要な役割を担うことになる、とそれだけは書かせて頂きたい。この作品は、何者をも否定しないのである。存在してはいけない者など一人もいないのだ。ゲルサドラも、カッツエも。社会では誰もが、何かの役割を担っているのだと語りかけてくるのだ。そして思うのだ、自らの命を懸けてそれに気づかせてくれるはじめというこの主人公は、やっぱりすごい、と。『ガッチャマンＣＲＯＷＤＳ』は、いわゆる社会派作品に通じるテーマを視聴者に投げかけてくるアニメだ。しかし、インテリ監督が上から目線で社会を批判し、冷笑し、「人間社会はしょせんクソ溜めだ」とニヒルに観客を突き放して決め込んでしまうドライな社会派作品と違うのは、人間社会が内包する問題点を鋭く、皮肉すら込めて描きつつも、決して投げっぱなしで終わらないという事なのだ。いわば、作中の鈴木理詰夢がまさにインテリの代表で、彼の言う事も決して間違ってはいないのだけれども、社会や大衆を見下しているだけでは何も変わらないのである。このアニメが素晴らしいのは、はじめという「悪」すら受け入れてしまう前代未聞の主人公、その柔軟性と直観力と行動力で、「社会に、世界にとって一番大切なのは多様性」であり、大事なのは「個」の存在であり、「個」が集まることで「集団」が生まれる、という事・・・「集団」ありきで「個」はそのパーツ・・・などでは決してない。だから「我々一人一人が考え、行動し、社会を変えて行かなければいけない」のだというメッセージを発信している事なのである。そしてそのメッセージはご都合主義でも偽善でもなく、とてもポジティブで力強い説得力がある、のである。もう一つ、このアニメは、ポストモダン的な要素も持っていて、本作に登場する様々な設定が、社会や人々を暗喩しているメタフィクションでもあるという事は過去のレビューの中で書いてきたので、その具体例はここでは繰り返さないが、本作でも「空気」をモチーフにしている事が分かる。ゲルサドラが「風」の技を使い、その本当の姿はガスのような気体だという事、理詰夢が率いる集団ＶＡＰＥは、「Vaporizer」（加湿器）の省略形である。湿った空気、つまり「オレらはありきたりな空気とは違うぜ」という意味なのだろう（笑）。あと、各話のサブタイトルが、広告業界用語を使用している事はご存じの方も多いと思う。ここから本作のテーマをまた別の視点から考察する楽しみもあると思う。ガッチャマンたちに力を与え、予言を授ける超常の存在・ＪＪが、ガッチャマンがピンチに陥っても、ヘルプも助言もしてくれないのは、彼はいわば神さま仏さまのような存在で、「困った時に神頼みしても何も解決しない。自分たちで考え、行動しなければ何も変わらない」というメッセージが込められているのだ、と筆者は思うのである。アニメに限らず映画もそうなのだが、シリーズものが大概、第１作を超えることができないのは、「続編はどんなストーリーにするのか？」という事しか考えていないからなのだと思う。『ガッチャマンＣＲＯＷＤＳ』の続編「in sight」が、第１作に全く引けをとらない、それどころか解釈次第では第１作を超えるメッセージ性を持った傑作になったのは、小手先のストーリーではなく「作品を通してどんなテーマを投げかけるのか？」という事を、中村健治監督以下のスタッフらが徹底的に追及したからに他ならない、のだと思う。これだけの物を作るには、スタッフ間で相当のディスカッションを重ねたのだと思う。だから、『ガッチャマンＣＲＯＷＤＳ』という作品は、ささっと作って毎週毎週放送できるようなアニメではないという事は重々承知なのだが、ぜひこれからも、間が少し空いてもいいから続編を作り続けて行ってほしい、とそう思う。そして、他のレビュアーの方も書いているが、例えば劇場版などを制作して（新作ストーリーでね）、今より多くの人に観てもらえるように知名度を上げて欲しい。この作品のテーマは、海外でも通用する・・・いや国境も人種も時代も越えて普遍的なものだと、もう一度叫びたい。本作のスタッフとキャストに・・・再び素晴らしい作品をありがとうございました！「GATCHAMAN CROWDS insight」Vol.4 Blu-ray 関連情報

この１冊ですべてわかる　心理マーケティングの基本

同業者の立場で読みました。この手の本は文章が固く、途中で挫折することが多いのですが、まるで、話しかけて貰っているようなやわらかいトーンで、最後までスムーズに読めました。しかも、難しい単語（私はカタカナが苦手）はたいてい近くに意味が書いてあって、とても親切。各章の長さも長すぎず、近すぎず、図表などもシンプルでわかりやすく工夫されていると思います。内容で印象に残ったのはMROCの話ですね。これまでも経験者の話は聞いていましたが、さまざまな困難やそれに対するアイデアがあるのですね。頭が下がります。また、エスノグラフィーの具体例も興味深かったです。GPSやアイトラッキングや動画撮影など。合間合間のコラムもいいアクセントでよかったです。「ランチ難民男子」や「ボケとツッコミ」など。同業の方にも、そうでない方にもおもしろい読み物になっているのではないでしょうか。この１冊ですべてわかる　心理マーケティングの基本関連情報

Enlarge オートドアロックシステム OBD2 車速連動&バックハザード 5機能搭載 (切り替え機能付き) ホンダフィット Honda専用FIT,フィットハイブリッド GP5 DBA-GE6,GK5 RS,シャトル DAA-GP7,GP8,GG7(後期),DBA-GK3,インサイト ZE2