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さとう宗幸 宮城野より

「青葉城恋唄」のヒットや、丸一年続いた「仙八先生」の撮影などといったムーヴメントも一段落ついた時期に出版された、《宗さん》初のエッセイ集。まるで大学ノートに、濃く、硬い鉛筆で書き込まれたかのような、まだ若く、硬質な文体が印象的。後年の『季節(とき)はめぐり、また夏が来て』と重複する出来事等も、単なるリピートではなく別のアングルからみることができ、二冊あわせて読めば、さらに興味は増すことだろう。そういえば、オレが行った年の(仙台市の)成人式の式典に、当時のアイドル系の歌手たちと一緒に《宗さん》も招かれ、ステージをつとめていた(「仙八」で教え子だった三田寛子も共演していたような記憶がある。ま、オレもそんなトシである…)のだが、出演者全員でのトークの最中だったか、いささか騒がしくなった-客席の一部を占めていた-新成人たちのことを、一瞬、《宗さん》は熱く「ごしゃいで(=叱って)」いたのだった(いささか悪ふざけが過ぎる、昨今の一部の諸君からすると、彼らはまだかわいいものだったが…)。そんな《宗さん》の姿が、その出来事からさほど遠くない時期に出版されたこの本を読んでいて、懐かしく思い出された。なお《宗さん》の自作曲の歌詞を集めた部分もあり(「青葉城恋唄」は作曲のみのため、掲載されていない)、ステージ等の定番曲「昔きいたシャンソン」冒頭の、歌詞カードには載っていない“つぶやき”は何と言っているのか、なんて事も、この本を読むことができれば解決するのだが。 宮城野より 関連情報




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