KIDS 通常版 [DVD]
大きな傷を負った過去を持った三人が、とある街で偶然であう。
生きていることさえ無駄だと考えているのだけれど、ピュアな心が引き寄せる。
ワイルドで喧嘩三昧の不良、いじめに合い顔に傷を残した女の子、他人の傷を自分に移動させる能力をもつ男。
あまりにも切なく、引き起こる残酷な現実にいたたまれなくなりました。
小池徹平役があまりにも優しすぎる!
最後には三人が笑顔でいられたまま終わったのが救いです。
乙一さん原作の映画、小説も読んでみたくなりました。
スニーカーCDコレクション きみにしか聞こえない CALLING YOU
私が『きみにし聞こえない』と出会ったのは親友に此方のCDを貸して貰った事がきっかけでした。また自身が乙一さんの作品にのめり込むきっかけとなった今でも宝物である作品です。此方のCDを聴きながら何度あの切なさに切ない想いに、シンヤ君の優しさ、主人公の不器用さに、そして悲しい別れに涙した事かわかりません!!涙なしではいつも最後まで聴く事が出来ずにですが何度も何度も繰り返して聴いてしまう私自身にとってはかけがえのないそして皆様にお奨めしたい珠玉の作品です(*^^*)乙一さんの書かれる作品はどれも胸に響く、引き寄せる作品ばかりで10代の心理描写や葛藤の表現が大変素晴らしく…そして切なく魅せられる。声優さんのお声もとてもよく合っていて、本当に良かったです。“痛み”“喪失”そして“恋”…一つ一つの表現が乙一さんは巧みで感情移入しやすい。何て10代のありのままの痛みや感情を表現できるのだろう。本当にこの涙と切ない痛み、感動をありがとうございました!!
くちびるに歌を
五島の中学生の合唱部の少年少女たちと産休の顧問、代理の音楽教師がNコンを目指す青春小説。 男子部員と女子部員の対立、告白、出産と様々な出来事を乗り越えて成長していく登場人物たち。 アンジェラ・アキの手紙〜拝啓十五の君へをうまく物語に取り込んでいて、個人的にサトルの十五年後の自分への手紙や、家族や部員たち、しいては人との関係性の変化には感動しました。 ただ気になったのはこの方便は博多弁やないかということと、自分達が作詞した曲の内容が判明しないままで肩透かしを食らったこと、前の二作より糖度が低くて、期待してたよりは楽しめなかったことでした。
ベッドタイム・ストーリー [DVD]
ディズニーとアダム・サンドラーが作ったファンタジー・コメディー。今までアダム・サンドラーを嫌いだった人も好きになる映画です。アダムの映画は、総じて下品なシモネタが多いので嫌う人が多いのですが、今回は、ディズニーなので下品なネタは一切封印。それでも、「歯磨き粉ライスバーガー」「ホームセンターの消化スプレー」など笑わせてくれます。また、アダム映画の十八番(!?)、彼の大好きな1980年代音楽が随所に盛り込まれ、「Fire」ネタは笑えます。
スプリングスティーン、バングルス等、懐かしい曲が使われます。また、劇中とエンディングに使われるジャーニーの「Don't Stop Believin'」が映画のテーマ曲ともいえるでしょう。(名曲です。)
映画の中でアダムの敵役のガイ・ピアースが素晴らしいです。キザで意地悪な役を見事に演じて、見ていて関心します。チーズケーキを食べながらアダムに厭味を言うシーンがとてもいいです。また、劇中で歌と踊りも披露します。(芸達者ですね。)
共演者も先生役のケリー・ラッセル(ワンス・アンド・フォーエバーでの将校の妻役が印象深い)、アダムの姉役のコートニー・コックス(スコーピオン以来、久々ですね。)、父親役のジョナサン・プライス(最近は沢山出てます。)、そして常連のロブ・シュナイダー(今回も変わった役を二つやってます。)など多彩です。モルモットのバグジーも忘れてはいけません。
最後に、飛び出す絵本をイメージしたエピロークから夜空を背景にしたエンディングを見ていると何故か幸せな気分になります。
夏と花火と私の死体 (集英社文庫)
面白くなかったから、ではない。
儚い夢とはいえ、物書きを目指している身にとって、これは恐怖以外の何者でもない。
「少女が死ぬ」「それを隠す兄妹」「その度に見つかりそうになる」――
これをキーワードにして小説を書きなさい、とヒントを出されたとして、ここまで独創的なテクニックで書けただろうか。
しかも、16歳のときに。
さらに、グロテスクな設定なのに、それを感じさせない語りも恐ろしい。
何故か体験もしたこともないのに「懐かしい」と感じさせる田舎の情緒、夏の蒸し暑い間延びした時間、ひんやりとした夜の闇に虫の声。
読み進めるうちに、犯罪を夏休みの冒険のように過ごす兄妹たちと溶け合って、私のモラルも麻痺してしまう。
『優子』も恐ろしい。
「ふんふん、つまり、『サイコ』ね」なんて鼻歌混じりで読んでいて、最後は唸ってしまった。
どちらも内容はそう珍しいものではないかもしれない。
みっちりと情報が詰まっているわけでもない。
展開が、技術が、恐ろしい。
もし、貴方が物書きを夢見ているなら、決して読んではいけない。
自信を喪失する。
もし、貴方の趣味が読書なら。
是非、読むべきだ。
あぁ、読まなければよかった、と後悔している。
でも、読まないともっと後悔していただろうな。